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「観光」関連の特徴的なキャンペーン・プロモーション【最新事例まとめ】

観光業界で実施された特徴的なキャンペーン事例をまとめて紹介します。デジタルスタンプラリーやNFTを活用したもの、画像投稿キャンペーンなど地域の注目度を高めるための施策を解説していきます。

めぐって当てよう!白老の百 スタンプラリー │ 北海道白老町

めぐって当てよう!白老の百 スタンプラリー │ 北海道白老町
キャンペーン概要白老町内の観光スポットに設置されたQRをスマホで読み取り、ポイントを集めて賞品抽選に応募できる
インセンティブ白老町にまつわる賞品 抽選で100名様5ポイントにつきオリジナル缶バッチが当たるガチャコインと交換できる
使用SNSなし

キャンペーンのポイント

【ロングスパンで来訪動機を作る!】

新千歳から車で約40分の白老町による「おいしい・たのしい・あたたかい」をぜんぶ巡って当てようというデジタル周遊企画。

アイヌ語の「シラウオイ」という「アブ」が多いところというのに由来するそうです。

2025年8月12日〜2026年2月11日のロング開催で、町内のスポットに置かれたQRをスマホで読み込むとポイントが溜まり、さらに各スポットの感想を投稿すると+1ポイント、たまったポイントで応募すると、抽選で100名様に白老町にまつわる賞品が当たります。

応募ボタンの解放キーは民族共生象徴空間「ウポポイ」内にあるQRコードの読み取りで、「文化拠点にちゃんと来てね」というメッセージとしてマスト訪問になっています。

【町長からの名誉表彰】

抽選応募は最低6ポイントからですが、途中5ポイント貯まったら白老駅北インフォの「ポロトミンタラ」で、全10種+シークレットの缶バッジが当たるガチャコインに交換可能。全部周った猛者には町長名誉表彰がもらえます。

冊子の完成を機に、夏〜冬のロングスパンで来訪動機を作り、飲食・土産・体験・温泉の観光横断消費を作り上げています。完走者への町長名誉表彰は話題化するのでしょうか。

めぐって当てよう!白老の百 スタンプラリー │ 北海道白老町
めぐって当てよう!白老の百 スタンプラリー │ 北海道白老町

【動画で解説!】めぐって当てよう!白老の百 スタンプラリー │ 北海道白老町

ゴールデンカムイと北海道を楽しもう!supported by ウポポイ

ゴールデンカムイと北海道を楽しもう!supported by ウポポイ
キャンペーン概要北海道内10エリアに掲出されたコラボ“エリアポスター”を巡るデジタルスタンプラリー。ウポポイ園内でもスタンプラリーが開催
インセンティブエリアごとに抽選に参加できるゴー褒美グルメ8名:らっきょスープカレー(4食セット)8名:ルタオドゥーブルフロマージュ(2個セット)8名:ケダマ(2Lサイズ)8名:虎杖浜産たらこ(500g)8名:びらとり和牛ハンバーグ(5枚セット) など
スタンプコンプリートすると先着1,000名にポストカードがもらえる
使用SNSX、LINE

キャンペーンのポイント

【1400kmのO2O施策!?】

TVアニメ「ゴールデンカムイ」と北海道の広域を周遊させる施策で、総距離1400km以上と東京から鹿児島ぐらいの距離を周遊させる鬼企画。2024年から始まり、今回が2回目となります。

「ゴー北スタンプラリー」は、夏から冬にかけて開催されています。期間内に札幌からウポポイなどの全10エリアで掲出されるエリアポスターを探して現地の二次元コードを読み込むと、カメラが起動。録り下ろしボイスやAR撮影でエリアごとのキャラクターが手に入り、スタンプが貯まる仕組みです。

スタンプを集めながら、各地の「ゴー褒美グルメ」への応募チャンスも用意されており、観光の動機づけにしていますが、「もう1スポット行ってみよう」と思ったりすると、次が400km先だったりします。

10エリアをコンプリートすると、先着1,000名にポストカードセットがもらえるという1400km渡り歩いた猛者を称える特典もあります。

【あえて過酷なスタンプラリーで話題化!】

道内を巡回するラッピング車「ゴールデンワゴン」も走行していて、見つけたら写真・動画を撮ってXに投稿すれば、参加者同士で盛り上がれる発見体験がつくれています。

ウポポイでは園内の宝探し企画や限定メニューを提供するゴールデンキッチンカーなど、文化体験寄りのコンテンツも拡充。

ゴールデンカムイ好きなら、ファンの「推し巡礼」がそのまま観光と学びにつながるでしょう。

過酷なスタンプラリーをあえてやることで、話題化とゴールデンカムイ好きに刺さり、たくさんの参加者がいたからこそ2024年に引き続き第2回が開催されたのでしょう。

ゴールデンカムイと北海道を楽しもう!supported by ウポポイ
ゴールデンカムイと北海道を楽しもう!supported by ウポポイ

【動画で解説!】ゴールデンカムイと北海道を楽しもう!supported by ウポポイ

緑と水辺のシネまちラリー 〜映画でつながる品川〜

緑と水辺のシネまちラリー 〜映画でつながる品川〜
キャンペーン概要会場のQRからLINEでスタンプラリーや映画祭に参加するとインセンティブがもらえる
インセンティブ公式LINE追加で、数量限定オリジナルポップコーンをプレゼント抽選で「緑と水辺のシネまちラリー」特別賞を贈呈
使用SNSLINE

キャンペーンのポイント

【品川をスタンプラリーで楽しむ!】

港南・高輪・天王洲の異なる3エリアを「映画はしご」で束ね、9〜11月秋の映画シーズンにリピートを促す回遊設計になっています。

キャンペーンの参加には、会場入口のQRからLINE登録したあと各会場でスタンプし、アンケート回答すると抽選応募が可能となります。さらに友だち登録すると先着でポップコーンのプレゼントもあり、初回参加と次会場への期待をブーストさせています。

インセンティブも「スタジオ地図オリジナルマグ」「シーズンテラス商品券」「はちみつ」などと各拠点ゆかりに寄せ、場所を脳内にインプットさせています。

「映画×まち歩き」というテーマで夜の過ごし方を提案し、LINEスタンプ、アンケートというハードルの低さで回遊を促す行動デザインで、9→10→11月とだんだん場所を変えていくことでで認知→体験→定着を段階的に積み上げています。到達エリアに応じて壁紙や限定バッジが解放されるゲーム施策などがあるとより楽しくなりそうですね。

【回遊を促す設計で楽しみ方をプレゼン!】

水辺・芝生・高架下と普段ベイサイドにいかない人も、1会場目で火がついたら「次も行ってみよう」が起きる設計なので、デベロッパーやエリア団体が横串で連携し、「映画×まち歩き=品川」の夜の楽しみ方をプレゼンできています。

高輪ゲートウェイなど再開発が著しい品川の街を改めて見てもらいたいという思いと、映画を口実に夜の品川をはしごしたくなる設計なので、映画館以外にも回遊させられるともっと楽しめそうです。

緑と水辺のシネまちラリー 〜映画でつながる品川〜
緑と水辺のシネまちラリー 〜映画でつながる品川〜

【動画で解説!】緑と水辺のシネまちラリー 〜映画でつながる品川〜

ふくしまピーチホリデイ 2025|一般社団法人福島市観光コンベンション協会

ふくしまピーチホリデイ 2025|一般社団法人福島市観光コンベンション協会
キャンペーン概要参加店で店頭QRを読み取りスタンプGET。集めたスタンプ数に応じて抽選エントリー
インセンティブ指定店舗で使える300円引きクーポン 800本宿泊券や福島グルメなど、参加店共産品 83本福島市内の指定宿泊施設で使える宿泊補助券1万円分 6本「ももりん」または「ブラックももりん」のフロッキーフィギュア 合計10本
使用SNSなし

キャンペーンのポイント

【桃をテーマにスタンプラリー!】

福島市の夏の風物詩とも言える桃を盛り上げる「ふくしまピーチホリデイ」が4年目を迎えました。

夏だけでなく、春夏秋冬の4エディション制に刷新され「桃=夏物」だった固定観念を壊し、桃を通じて福島に365日訪れる理由を創出しています。

桃スイーツや桃メニュー、さらには桃宿泊プランや、オシャレな桃狩り体験など、桃にまみれることはもちろんのこと、ストーリーの主役は規格外桃となっていて、傷やサイズで市場に出ない桃を、スイーツ・会席・温泉各所で再生させSDGsへの取り組みとし正義を貫いています。

デジタルでは「目指せ!桃にまみれる365日」を合言葉にスタンプラリーを実施。ブラウザ起動し、店頭QRでログインなしにスタンプ収集し、その場でクーポンが当たるというもの。

さらにスタンプ数に応じて選べる抽選賞は バリューの累進性を演出し、完走を促しています。

【SNSでのブラウザ起動は注意が必要!】

ログインをしないブラウザだけで参加できるスタンプラリーは、お手軽な反面、端末側のセッションを活用するためSNSでのブラウザ起動は注意が必要というのが大事な部分です。

SNSで起動したブラウザは、毎回履歴がクリアになるため、スタンプが消えてしまう罠があるのですが、さすが4年目、きっちり注意点として大きく書かれています。

皆様も提案する際にはご注意を。

「桃にまみれる」というワードで憧れ共感をいだき、SDGs×応援消費で正義を振りかざし、デジタル導線で体験をゲーム化し、シーズン分割でリピーターを促しています。

ふくしまピーチホリデイ 2025|一般社団法人福島市観光コンベンション協会
ふくしまピーチホリデイ 2025|一般社団法人福島市観光コンベンション協会

【動画で解説!】ふくしまピーチホリデイ 2025|一般社団法人福島市観光コンベンション協会

OK!!広島(おいしいけぇ、ひろしま)|広島県 商工労働局観光課

OK!!広島(おいしいけぇ、ひろしま)|広島県 商工労働局観光課
キャンペーン概要Xでのフォローリポストキャンペーンやポップアップイベントなど開催
インセンティブOK!!広島100万円ツアー 1組2名様広島のブランド和牛「比婆牛ひばぎゅう」1万円分 10名様広島の酒蔵で造った日本酒(4合瓶) 50名様
使用SNSX

キャンペーンのポイント

【方言×グルメで話題化!】

広島県が瀬戸内の豊かな食文化を首都圏に本格発信するプロモーション。

X公式アカウントをフォローし、指定ポストをリポストするだけで応募が完了し、当選者には100万円相当のプレミアム食旅ツアー が贈られるという、シンプルな仕組みながらインセンティブが豪華なものになっています。

奥田民生さんと吉川晃司さんがスペシャルサポーターを務めていて「おいしいけぇ、ひろしま」を合言葉に、お好み焼きや牡蠣だけに留まらない多彩なグルメが軽やかに紹介されています。

広島出身、還暦同級生のお二方の頭文字をとり「Okuda ✕ Kikkawa = OK」とのことで、ユニットの応援歌「OK」は広島東洋カープ公認曲にもなっていて、地元を全力でプッシュしているようです。

【拡散性抜群!】

銀座のアンテナショップ TAU や、南青山のMAZDA TRANS AOYAMAでは、比婆牛のローストビーフや瀬戸内レモンを使ったスイーツ、日本酒の試飲などが体験できるポップアップイベントが開催され、首都圏の生活者が味覚で広島を先取りできる導線が丁寧に設計されています。

キャンペーンはフォロー&リポストで手軽に参加できる一方、当選後に広島を実際に訪れれば、生産者やシェフとのリアルな交流を通じて「広島はおいしいだけじゃなく、温かい人がいる場所」と感じてもらうのが最大の狙いでしょう。

記者会見でも広島愛トークがニュース化され、主要メディアに多数掲載されています。「方言×グルメ」はTikTok・Xで拡散されやすい鉄板素材です。

OK!!広島(おいしいけぇ、ひろしま)|広島県 商工労働局観光課
OK!!広島(おいしいけぇ、ひろしま)|広島県 商工労働局観光課

【動画で解説!】OK!!広島(おいしいけぇ、ひろしま)|広島県 商工労働局観光課