n2p blog

大手メーカーの特徴的なキャンペーン・プロモーション【最新事例まとめ】

食品メーカーや家電メーカーなど、知名度や影響度の高い企業が中心となって開催した特徴的なキャンペーン事例をご紹介。SNSキャンペーンやWEBサイトを活用した販売促進から、周年記念のロイヤリティ向上施策など、話題作りに最適なアイデアや切り口を解説していきます。

おいしいご褒美 あなたはどっち派?キャンペーン | リンツ&シュプルングリージャパン株式会社

おいしいご褒美 あなたはどっち派?キャンペーン | リンツ&シュプルングリージャパン株式会社
キャンペーン概要InstagramまたはXで、キャンペーン投稿に自分が当てはまる「◯◯派」の指定ハッシュタグをつけてコメント、もしくは「◯◯派」ボタンを選択してポストすると参加可能
インセンティブリンドール ファミリーパックシーズナル 20個入 合計30名様
使用SNSInstagram、X

キャンペーンのポイント

【対決型投票キャンペーン!】

「ある日、リンツジャパンに一通のお手紙が届きました」から始まる、シングルマッチ式投票キャンペーン。

職場にて「リンドールを噛むとは何事だ!」と叱責され、「舐めて溶かす派」と「噛んで中身のトロット感を楽しむ派」に分かれていることを知ったという、ツッコミどころあるストーリーとなっています。

キャンペーンは6月・7月・8月と3回に分けて実施され、それぞれのテーマで“どっち派?”を選んで投稿、コメントすることで参加可能です。

第1弾は「ミルク派?ダーク派?ホワイト派?」第2弾は「パリッと派?トロッと派?」

第3弾は「朝リンドール派?夜リンドール派?」の三連戦になっています。

あまり派閥がなさそうなリンドールですが、無用な争いごとを作り上げ、遺恨を残し対決させる、プロレス的なシングルマッチとなっています。

【対決構図で購買意欲を掻き立てる!】

応募方法はXまたはInstagramで、公式投稿に対してコメント・リアクションするだけ。

投稿にはそれぞれの選択肢に応じたハッシュタグをつけることが求められており、ブランド側が「どんな嗜好のファンがいるのか」を把握できる仕組みになっています。

参加ハードルの低さと、投票=会話という構図で、当選のための競争ではなく、ブランドとの日常的な関わりとしてのコミュニケーションを重視している点が今の時代に合っています。

夏場はチョコレート需要が減少しやすい季節ですが、ファンによる派閥や食べるシーンを会話してもらい、商品の味覚や食感を再確認させ、購買意欲をゆるやかに刺激するコピーになっています。

おいしいご褒美 あなたはどっち派?キャンペーン | リンツ&シュプルングリージャパン株式会社
おいしいご褒美 あなたはどっち派?キャンペーン | リンツ&シュプルングリージャパン株式会社

【動画で解説!】おいしいご褒美 あなたはどっち派?キャンペーン | リンツ&シュプルングリージャパン株式会社

ストレスミラー印象チェッカー|日本コカ·コーラ株式会社

ストレスミラー印象チェッカー|日本コカ·コーラ株式会社
キャンペーン概要スマートフォンのカメラで自撮りをすると、AIがその表情や雰囲気からあなたの今のストレス状態を診断してくれるコンテンツ
インセンティブなし
使用SNSなし

キャンペーンのポイント

【AR顔認証×診断!】

がんばるが前提になりがちなこの時代に、「ちょっとだけ自分の心と向き合ってみては?」と問いかけてくれる、コカ・コーラ社のリラクゼーションドリンクCHILL OUTが展開するデジタルコンテンツ「ストレスミラー印象チェッカー」です。

CHILL OUTというブランドは、もともと「飲んでチルする」という機能的価値を提供するだけでなく、ととのえる、整う、といった心の余白に訴えかけることを志向しています。このチェッカーでは、「いまの自分、どう感じてる?」「ちょっと疲れてるかも」と自らに問いかける心の入り口が用意されているわけです。

【表情からストレスを検知!】

スマートフォンのカメラで自撮りするだけで、AIが現在の顔つきや雰囲気から「あなたの印象=今のストレス状態」を分析してくれるという、表情でわかるメンタルチェック診断コンテンツで、診断結果にはCHILL OUTのブランドキャラクター「チルくん」が登場し、思わず肩の力が抜けるようなやさしいコメントで寄り添ってくれるという癒し系コンテンツになっています。

さらに診断するだけで、全員にCoke ONドリンクチケットがもらえるというCokeONアプリ導入にも一役買っています。

ストレスが当たり前になりつつある時代に、そこに「気づかせる」ことから始まり、自分の状態を見つめ直す→シェアする→少し笑える or 共感が生まれる→CHILL OUTを飲んでみたくなる、というブランド体験の流れになっています。

ストレスミラー印象チェッカー|日本コカ·コーラ株式会社
ストレスミラー印象チェッカー|日本コカ·コーラ株式会社

【動画で解説!】ストレスミラー印象チェッカー|日本コカ·コーラ株式会社

きのこの山ワイヤレスイヤホンプレゼントキャンペーン|株式会社明治

きのこの山ワイヤレスイヤホンプレゼントキャンペーン|株式会社明治
キャンペーン概要対象商品を購入したレシート画像をサイト上にアップロードすると商品に応じてポイントが溜まり、15ポイントで応募が可能
インセンティブきのこの山ワイヤレスイヤホン 500名様
使用SNSLINE

キャンペーンのポイント

【ガチ勢にイヤホンプレゼント!】

「きのこの山」発売50周年を迎えることを記念した、ただの記念グッズでは終わらない、思わず二度見してしまう機能性とネタ性を両立した「きのこの山ワイヤレスイヤホン」が当たるキャンペーン。

WEBサイトもアップルを彷彿させる形で、きのこの山が耳に刺さっているように見えるワイヤレスイヤホンは十分話題性が出るところですが、ただの見た目重視のグッズではなく、144言語に対応した同時翻訳機能付きという本格仕様となっています。

きのこの山のチョコ部分がイヤホンになっているユーモラスな見た目ながら、旅行や語学学習、国際イベントなどにも使える実用性をしっかり備えており、ギャップ萌え的な魅力が満載です。

このインセンティブは2024年にクラウドファンディングサイト「Makuake」で3500台限定で販売され、即日完売となるほどの人気を博したもので、一億円を集めたことも話題となりました。

そもそもは、明治が2023年7月に公式Xで展開したSNSプロモーション企画で、架空のユニークな雑貨を紹介するという企画において「おいしい牛乳の修正液」や「明治ミルクチョコレートの切手」などある中で、特に「きのこの山のワイヤレスイヤホン」がSNSで発話され実際に商品化され、さらにキャンペーン活用しているという流れになります。

【ファンダムマーケティング!】

キャンペーンはきのこの山、たけのこの里を買って、レシートをアップロードすることでポイントが貯まり、15ポイントで1口応募できる設計。

ポイントの種類は「きのこポイント」「たけのこポイント」に分かれていて、両方のポイントを組み合わせて応募すると当選確率がアップする仕様になっています。

これが絶妙で、「どっち派?」論争に軽く火をつけつつも、実際の購買では両方を買って応募できるようなインセンティブ構造になっており、ブランド横断のクロスセルが成立している点が秀逸です。

このワイヤレスイヤホンの辿ってきた軌跡と、たけのこポイントも貯めると当選確率アップという設定は、「きのこvsたけのこ」というファンコミュニティに根差した競争構造を活かしつつ、ここ最近のファンダム系マーケティングの中でも非常に洗練された形と言えるでしょう。

きのこの山ワイヤレスイヤホンプレゼントキャンペーン|株式会社明治
きのこの山ワイヤレスイヤホンプレゼントキャンペーン|株式会社明治

【動画で解説!】きのこの山ワイヤレスイヤホンプレゼントキャンペーン|株式会社明治

夏の「ほっとひと息」キャンペーン|森永製菓株式会社

夏の「ほっとひと息」キャンペーン|森永製菓株式会社
キャンペーン概要対象商品の購入レシートを撮影し、キャンペーンサイトの応募フォームからアップロードで参加
インセンティブQUOカードPay総額100万円相当を最大10,000名様にプレゼント。Wチャンスとして応募者の中から抽選で100名に冷やし甘酒1週間分を2セットプレゼント。
使用SNSなし

キャンペーンのポイント

【実質無料で購買促進!】

甘酒というと冬の風物詩、温かい飲み物というイメージが根強い中で、冷やして飲む、あるいはスパークリングで楽しむといった夏向けバリエーションを前面に押し出すことで、長年親しまれてきた「森永甘酒」ブランドの再解釈を促しています。

キャンペーンの参加方法は、対象商品を購入しレシートをアップロードするシンプルなレシートマストバイですが、インセンティブが「先着で購入金額相当のQUOカードPayを還元」という大胆な内容です。

抽選ではなく、実質無料の体験を前面に出すことで、試してみようと思う動機付けがよくできています。デジタルギフトの即時性と、購入のリスクが少ないという安心感が合わさり、キャンペーンとしての「成功体験」が生まれやすい設計です。

先着分が終了しても抽選で同等のプレゼントがあり、さらにWチャンスとして「冷やし甘酒1週間分(7本)×2セット」を抽選で100名にプレゼントという仕掛けも用意され、長くキャンペーンを楽しめる形になっています。

【需要形成プロモーション!】

甘酒は「夏の栄養ドリンク」とも言われており、古くは江戸時代に夏バテ防止として飲まれていた背景もあり、森永は2022年辺りから夏の甘酒推しを行っています。

「甘酒=冬」の認識を超えた新しい季節需要の創出と、ブランドのリフレッシュ、既存顧客の再活性化、そして新規層へのトライアル促進が、うまく一つのキャンペーンにまとめられています。

夏に思い出してもらうため、過去にもうなぎを組み合わせたり、花火鑑賞が当選するなど、夏の暑さ対策や栄養補給としての甘酒の効能を訴求し、消費者の新たな習慣形成を促進しています。

夏の「ほっとひと息」キャンペーン|森永製菓株式会社
夏の「ほっとひと息」キャンペーン|森永製菓株式会社

【動画で解説!】夏の「ほっとひと息」キャンペーン|森永製菓株式会社

ありがとうのお手紙メーカー|株式会社ロッテ

ありがとうのお手紙メーカー|株式会社ロッテ
キャンペーン概要『ONE PIECE』のキャラクターたちと一緒に、母の日・父の日に感謝の気持ちを伝えるお手紙を作成できるコンテンツ
インセンティブなし
使用SNSなし

キャンペーンのポイント

【ワンピースキャラと日々の感謝を伝える!】

ロッテ「ガーナ」が、母の日(5月11日)、父の日(6月15日)という2大家族イベントにあわせて、感謝の気持ちを言葉にして届けることをテーマにした王道キャンペーンで、「ありがとうのお手紙メーカー」を公開しました。

国民的アニメ「ONE PIECE」とは初コラボで、チョコレートの持つ甘さと、「ありがとう」の言葉が持つやさしさ、そしてONE PIECEが描いてきた「絆」というテーマでブリッジさせています。

ONE PIECEキャラクターたちの描き下ろし全6種のオリジナルビジュアルとともに、自分の言葉で感謝のメッセージを書いて、LINEやSNS、メールで家族や大切な人に送ることができます。

普段は照れくさくて「ありがとう」を言えないという人でも、ルフィやナミたちの力を借りることで、自然にその一歩を踏み出せるのがメッセージ生成系キャンペーンの良いところです。

【効果的なブランディング施策!】

ワンピースのキャラクターたちが家族を語る特別ストーリー「ファミリーストーリー」も公開されました。血のつながりにとどまらず、仲間という絆を大切にするワンピースの価値観が、ユーザー自身の家族観ともシンクロし、ブランドメッセージとして非常に強い共感を呼ぶ内容になっています。

チョコを贈る文化が定着している日本市場において、「ギフト+メッセージ」という組み合わせは非常に効果的で、ブランドの好感度向上と、リピート促進に直結する設計となっています。

ロッテとしても「ガーナ=家族の時間に寄り添うブランド」という長期的なポジショニングを育てるきっかけになります。

ありがとうのお手紙メーカー|株式会社ロッテ
ありがとうのお手紙メーカー|株式会社ロッテ

【動画で解説!】ありがとうのお手紙メーカー|株式会社ロッテ