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【まるわかり】コンテンツマーケティングって何?その手法や手順とは?〜BtoBマーケティングの事例5選から見る成功の秘訣〜
更新日:2024.11.07 (公開日:2022/06/23)
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは一言で言うと「顧客のニーズに合わせたコンテンツ(情報)を発信することで顧客に購買を促すマーケティング手法」だ。ここでいうコンテンツはwebページだと考える人は多いが、実はそうではない。webページを含むインターネットで配信可能な情報がここに含まれる。そういった意味でwebページを作らなければいけないというハードルは下がり誰でも始められるマーケティング手法だということがわかる。
この記事ではそのコンテンツマーケティングとは何かからやり方までまとめたものである。これを読んでコンテンツマーケティングについての理解が深めよう。
何があった??コンテンツマーケティングのこれまで
コンテンツアーケティング流行の経緯
コンテンツマーケティングが流行り出した背景にインターネット普及による情報過多がある。
インターネット普及以前は、情報源がテレビやCMに限られており、そこに情報を発信すればユーザーは情報を受け取ることができていた。しかし、インターネットが普及するとユーザー自身が必要な情報を集めに行けるようになった。このように今まで壁当てだった情報供給が、キャッチボールに進化した。
これによって情報提供側は、ユーザーに合わせた情報を提供しなければ情報が届かないという事態になった。
このことからユーザー、一人一人に合わせた情報を提供することができるインターネットメディアを活用したコンテンツマーケティングが流行り出した。
BtoBコンテンツマーケティングの成功事例
それでは実際にどのような成功事例があるのか、BtoB向けのコンテンツマーケティングの例を5つ紹介する。
BtoB編
①課題解決事例を入れることで追体験させる
TEC COMPASS(オウンドメディア)
様々な機器とシステムの開発・製造・販売を行っている大手企業である山洋電気株式会社は、「課題解決」をテーマにした自社ウェブサイトを使って独自性の高いマーケティングを行なって成功した。
実際の導入事例としてこのようなものが紹介されている。
近年の装置の高機能化・高速化に伴いファンの高い冷却効果が求められている。そこで課題となるのが、適切な筐体設計やファン選定をおこなうための「風量の数値化」だった。その課題に行き詰まったA社は山洋電気の「San Ace エアフロ―テスター」のセミナー動画を視聴して、山洋電気の製品を導入すれば風量測定が行えると知って導入した。その結果A社は今まで取得できなかった数値を取得することで、今後の装置開発に役立てることができた。
このように導入事例をホワイトペーパーにまとめた山洋電気の成功のポイントは5つある。
- 製品を使った課題解決事例を提供することで、見込み顧客に擬似体験をさせる
- 「課題」と「解決策」についてイラストや写真を用いて説明することでわかりやすく説明している
- インタビュー記事はインタビューだけでなく、記事の最後に出てきた製品のキャンペーンページへ誘導できるようになっている。さらにそのキャンペーンページから製品についてのついての紹介のPDFにたどり着くような導線が設計されている。
- 歴史コラムで数字や図を用いて製品の進化の実績をアピールすることで顧客からの信頼を得ている
- 初心者向けに「山洋教室」というコラムを設置、ここから各種PDFをダウンロードできるようにすることでリード獲得の設計を行なっている。
これらの工夫によってwebサイト改修から1年後には、資料ダウンロードのコンバージョン件数が約8~10倍になった。
②ターゲットや場面を極限まで絞り込んだホワイトペーパー
アズ株式会社(ホワイトペーパー)
営業代行、支援、テレマーケティングを行なっているアズ株式会社は、自社サイトにホワイトペーパーを充実させることで、顕在的顧客を獲得する事に成功した。
成功のポイントは以下の3つだ。
- 業種別に最適化したトークスクリプト
- ターゲットの役職別でも細分化したトークスクリプト
- ホワイトペーパーを細分化したことで、どんな業種でどんなターゲットを狙っているのかが明確になった
以上のように営業の人が社長アポや部長アポを獲得するためのトークスクリプトがある。このように、ある業種のある場面にまで絞ったトークスクリプトを充実させている。ターゲットを絞り込むことで届けたい人に届くホワイトペーパーを作ることができる。
③面白コンテンツで「バズり」を狙え
LIG株式会社(SNS)
株式会社LIGは検索流入を意識したコンテンツを届けているサイトを運営している。また、「伝説のwebデザイナーを探して」という面白コンテンツで社長を砂浜に埋めるということをして一時話題になった企業でもある。
そんな株式会社LIGの特徴は面白コンテンツの拡散力である。先程のようなコンテンツを発信しX(Twitter)やfacebookで発信することで1日で14万のPVを獲得した。先程の「伝説のwebデザイナーを探して」の他にもこのような記事もある。
この記事は冬の雪山で、自分で竹を組み合わせて流しそうめんをするという、季節はずれの流しそうめんの記事になっている。
このように目を引くタイトルや内容の記事を発信することで多くのPV数を稼いでいる。
成功のポイントは以下の4つである
- SNSの拡散力を活かしたマーケティング
- 拡散されるようなエンタメ記事を活用
- その他の記事もCVにつなげたい記事、ユニークな記事など幅広いジャンルの記事を充実
- SNSでのやりとりの徹底
④ユーザー、一人一人に合わせた情報提供
ユーキャン(インタラクティブツール)
資格取得を通信教育によってサポートする事業を行なっているユーキャンは、役立つ資格から趣味、実用講習などさまざまな通信講座を揃えている。
そんなユーキャンが2017年に行なったのが、「私の変わるきっかけ研究所」だ。
これは、サイトを訪れたユーザーが性格診断を受け、その結果に応じて適性がありそうな資格講座を提案するというものだ。
成功のポイントは以下の3つだ潜在的な顧客をWebサイトへ誘導し学ぶきっかけを作れた
性格ごとにどの講座を選んだのかというデータを取得できた
性格診断→webサイトという自然な導線作り
⑤ユーザーのニーズをがっちり掴め
株式会社カオナビ(オウンドメディア)
タレントマネジメントシステムを提供する株式会社カオナビは、ユーザーのニーズに対応したコンテンツ制作と戦略的なホワイトペーパー施策を行い、広告の2.5倍のリードを獲得する事に成功した。
成功のポイントは以下の4つだ。
- 「カオナビ人事用語集」特徴 キーワードの検索ボリュームや親和性、ニーズなどから独自の優先度を算出し、優先度の高い記事から制作している
カオナビ人事語録集
https://www.kaonavi.jp/dictionary/
- 記事に図表を活用することで読みやすくまとめられている
- 検索ボリュームが伸びている記事をホワイトペーパーとしてまとめてダウンロードをしてもらうことでリードを獲得している
- 記事ページから関連サイトへの導線がある
知っておきたい!コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
コンテンツマーケティングに興味は出てきただろうか。だが、メリット・デメリットが分からない事には手が出しづらいだろう。コンテンツマーケティングをすることのメリットとデメリットはどんなものなのだろうか。
メリット
①コンテンツが長期的に使える
web上に一度コンテンツを作れば、それは半永久的に残るため、ユーザーが情報にアクセスする窓口であり続ける。
またコンテンツは改修可能であるため、その時その時で状況に応じてコンテンツを作り替えることも可能だ。
このようにコンテンツを作って貯めて、改修してを繰り返すことでユーザーに必要な情報を網羅できるようになり、よりアクセスが増えるというメリットがある。
②拡散能力に長けている
web上にアップされたコンテンツなので、ユーザーによって情報を拡散してもらうことができる。ミツバチが花粉をつけて花の受粉を助けるように情報を受けたユーザー自身が拡散者となることで、拡散の規模が大きくなる。
③低コスト
誰でも無料で始められるSNSなどを利用して行うことができるため、低価格で始めることができる。主な利用媒体としては、twitter、instagram、facebookなどがある。
④顧客のロイヤリティを高められる
顧客のニーズに応える情報を発信し続けることで、顧客からの信頼を得た情報発信媒体になることができる。これによって、継続的な顧客の獲得や、企業のブランディングに役に立つ。
デメリット
①効果発揮までに時間がかかる
効果が発揮されるまでに、コンテンツの蓄積や、ユーザーのニーズにあったコンテンツの作成など時間を要する場合が多い。短期的な効果が見込めないのがデメリットだ。
②リーチ力の弱さ
顧客のニーズを掴むまでは、なかなかアクセス数は上がらない。また、無数にあるコンテンツの中から選んでもらうためには正確な分析とコンテンツ企画力が必要になる。
実践方法 コンテンツマーケティングのHow to
ここまでで、コンテンツマーケティングはどのようなものなのか説明してきた。どうだろうか、実践してみたくなってきたのではないだろうか。ここからは、実践したい人向けに、実践方法を細かく紹介する。
コンテンツマーケティングの手法
冒頭でも述べたように、コンテンツマーケティングの手法はweb制作だけではない。実はたくさんあるのだ。それらを一気に紹介する。
①webメディア・ブログ
まず初めに、お馴染みのwebメディアだ。これは別名「ストック型コンテンツ」とも呼ばれる。コンテンツを投稿し、それらが蓄積することでwebメディアの情報網羅性が向上することからこのように言われている。コンテンツが蓄積することで検索エンジンからの評価が上がるのがメリットである。自社の企画するコンテンツを発信できることから根強いファンを増やしたりすることができる。
②ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは元々政府が発行する報告書である「白書」のことを指すが、マーケティング業界では意味が異なる。マーケティング業界におけるホワイトペーパーとは、製品、サービスの紹介や市場分析、技術動向の分析をまとめた文書のことである。
ホワイトペーパーを発行する目的は、自社の製品をサイトを訪問した見込み客に売り込むための詳細な説明をすることである。
③セミナー
自社の製品の導入事例や使い方のノウハウなどをオンラインセミナーなどで行うことで販売促進を行うのがセミナーだ。少し興味があるけど買うか分からないという人たちに向けた情報発信をすることができる。
④メルマガ
メールマガジン(通称メルマガ)は、少し前からあるため聞いたことがある人が多いのではないだろうか。企業によって一斉送信されるこのメールは、顧客に継続的に情報提供することで、信頼を勝ち取ることができるメディアである。すでに自社に興味がある顧客に対して、自らのタイミングで情報発信できるというメリットがある。
⑤擬似体験
擬似体験とは、先程の三洋電気株式会社の例のように、顧客の購入事例を詳しく共有することで、サイトを訪れた人に製品導入の擬似体験をしてもらうことである。これによって、製品購入後の姿を予想することができ、サイトを訪れた見込み客に対して購入を促すことができる。
⑥インタラクティブツール
インタラクティブツールとは双方向のコミュニケーションを図るツールのことである。院タラクティブツールとは、web上でのユーザーの行動によってユーザー向けにコンテンツが変化するツールのことである。これによって、ユーザーを予想して情報発信をするのではなく、ユーザー一人一人にあった情報をその場の状況に応じて提供することが可能になる。
実施手順
1.ペルソナ設定
まず初めに「ペルソナ」というものを決める必要がある。ペルソナとは、自分のサービスや商品を利用してくれるユーザー像のことだ。これをモデルとして設定することで、顧客のニーズの把握や、ターゲットの絞り込みなどに役に立つ。
例えば、あるアパレル会社で考えてみる
[アパレル会社の例]
- 田中麗子 25歳 (女性)独身
- 東京都立川市在住のOL 収入400万・移動手段は電車
- 情報収集:ネット・SNS・雑誌・TVCM
[ストーリー]
新卒3年目を迎えたOL。仕事にもそろそろ慣れてきて休日に遊びに行く時間が増えてきた。休日に着る服を買いたいと考えている。
流行に敏感で、SNSやネットで常に情報収集をしている。また、友達と行った場所や愛犬の可愛い写真などをSNSによく載せている。
最近の悩みは、仕事が毎日同じで楽しくないということ。
2.カスタマージャーニー設定
このようにペルソナを設定したら、カスタマージャーニーを作成する。カスタマージャーニーとは、ペルソナの行動・思考・感情を時系列で表したもののことだ。これらを可視化する事によって、顧客とのタッチポイントを見つけ、適切な場所、タイミングで適切な情報を伝えられるようになる。
カスタマージャーニーを設定するメリットとして、「顧客を深く理解できる」「顧客目線での発想ができる」「マーケティング活動における意思決定が迅速に行える」というものがある。
[アパレル会社の例]
3.コンテンツ内容決定
カスタマージャーニーが決まったら、続いて発信するコンテンツの内容を決める。ここで大事なのは、「ニーズに合わせた情報を提供すること」「ジャーニーマップの次のフェーズに顧客を促す」この2つだ。
例えば興味の段階のユーザーに対しては、おすすめの商品などを豊富に宣伝するコンテンツが良いだろう。
比較の段階に移ったユーザーに対しては、実際にモデルが着用しているような画像を押し出すことで、自分がそれを着ているイメージを膨らましやすくしたりするのもいいだろう。
このように各フェーズでユーザーのニーズを考えて、コンテンツを考えて次のフェーズに移行させることが大事である。
4.配信チャネル決定
最後にそれらのコンテンツの配信チャネルを決める。各フェーズによって使うべきツールは異なる。
例えば、先程の例をそのまま用いると、興味の段階では、不特定多数の人に興味を持って欲しいため、拡散力に優れたSNSや多くの人がみるマスメディアでの広告が有効だろう。
一方、比較の段階に入ったユーザーに対しては、フォロワーに直接コンテンツを配信できるようなSNS(instagramやtwitter)などが有効になると考えられる。また動画での配信で着た見た目をより正確に伝えるということもできるだろう。
このように、フェーズによってチャネルを分けることで届けたい人のもとへ届けたい情報を届けることができる。
効果測定・改善
先ほどまでで、実施の手順を説明した。しかし、コンテンツマーケティングで大事なのはPDCAを回すことである。先ほどまででPD(Plan,Do)の部分を見てきたので、ここからはCA(Check,Action)の部分を説明する。
KPI設定・振り返り
マーケティングが成功したかどうかについて、それを図る指標としてKGI(Key Goal Indicator)に対するKPI(Key Performance Indicator)を設定し、振り返る必要がある。KPIは使用チャネルごとに使う指標が異なる。その例が以下の通りだ。
- オウンドメディア:PV数、CTR、CVR、対策キーワードの検索順位
- 広告:インプレッション数、CTR、CVR、獲得単価
- メルマガ:開封率、メール内リンククリック率、CVR
- セミナー:集客数、有効顧客率
これらの指標を使うことで、うまくいっている部分、いっていない部分が可視化され、改善すべき部分が明確になる。
まとめ
いかがだっただろうか。コンテンツマーケティング台頭の背景から、実施方法まで説明をしたが思ったよりもお手軽に始められそうという印象を抱いた人は少なくないはずだ。思い立ったら即行動!まずは一歩踏み出してあなたもコンテンツマーケテイングを始めてみよう!