n2p blog
キャンペーンやSNSの
"ためになる"情報を
執筆しています。
【中国SNSプロモーション完全攻略!】人気のSNSと事例紹介
更新日:2024.11.14 (公開日:2019/12/16)
中国でもSNSを上手に活用することは、マーケティングをする際に必要不可欠です。しかし、中国には独自のSNS事情が存在し、どのようにSNSプロモーションすればいいか分からないといったことに悩む人も多いはず。
本記事ではSNSプロモーションする際に参考となるような中国で人気のSNSの紹介とポイントを紹介したいと思います。
中国ネットの現状
2019年、中国の人口は約14億人に達すると言われています。DATAREPORTALの調査によると、SNSを利用する中国人は10億人おり、人口の約71%がSNSを利用していると言われています。
この数字からも分かるように中国は世界有数の「SNS大国」でもあるという訳ですが、その内情は少し特殊なのです。
中国当局による規制、金盾
中国では政府当局によるインターネット規制が敷かれています。「金盾」(グレート・ファイアウォール)という大規模情報規制システムによって不適切な内容が中国国民の目に入らないように、アクセス制限がなされています。
主な監視対象は
・中国当局に対して不都合な発言
・中国が過去に起こした事件に関する記述(天安門事件など)
・海外SNSサイト
・海外動画サイト
・アダルトサイト
などと言われています。
そのため、FacebookやX(Twitter)といった私達が当たり前に使うSNSが使用できないのです。これらのサービスで中国向けのプロモーションをしたところで、サービスそのものへのアクセスができないため効果がありません。
では、中国の人はSNSを使っていないのかというと、そういうわけでもありません。自国内で開発されたサービスが浸透しているのです。続いては、そんな中国国内で利用されてるSNSをご紹介していきます。
中国の人気SNS
【Weibo 微博】
まず、ご紹介するSNSは新浪公司が提供するWeibo(微博)です。
こちらは中国圏最大のソーシャル・メディアで、ユーザー数は中国国内外合わせて約7億人、月間アクティブユーザー数3.76億人、企業アカウント130万、と世界でも最大規模の人気SNSと言えます。
ユーザーの平均滞在時間は1h/日、スマートフォンユーザーが9割です。また登録ユーザーの男女比は約6:4で男性のほうが少し多く、年齢層は30歳以下が8割を占め、18歳未満15.7%、18-22歳27.6%、23-30歳28.6%です。
「いいね」機能や投稿をシェアする文化があるため、まさに中国版X(Twitter)・Facebookと言えるでしょう。
Weiboでは木村拓哉さんやAKB48など現地でも支持を集めていいる日本の著名人も活動しています。また、日系企業や地方自治体なども参入しており日本目線でも非常に盛り上がっていると言えるサービスです。
また、Weiboのアカウントは3つに分かれています。
1つ目は一般アカウントです。
これはテキスト140文字、画像、動画を投稿することができる我々で言うX(Twitter)のような機能で、投稿・共有が可能です。
二つ目は個人認証公式アカウントです。
これは有名人/著名人が取得可能な個人アカウントです。
取得すると「微博(Weibo)」アカウント名の横に黄色の「V」マークが表示されます。
三つ目は企業公式アカウントです。
企業アカウントは日本企業含め150万企業が存在しています。こちらも個人認証公式アカウント同様に、「微博(Weibo)」アカウント名の横に黄色の「V」マークが表示されます。
オフィシャルマークがついたアカウントから情報が発信されることにより、なりすましなどによるデマやガセが原因で企業の評価を下げるということがなくなります。
【WeChat 微信】
続いてご紹介するWeChatは日本版LINEとも評されるメッセンジャーツール。アクティブユーザーは2018年現在で9億37万人おり、中国のネットユーザーのほぼ全員が利用している国民的サービスです。ユーザーは男女比が1.8:1で年齢層は18~25歳が約45%、26~35歳が約40%と35歳以下で8割以上を占めています。
また、モーメンツと呼ばれるタイムライン画面が存在します。LINEのタイムラインとは違い、フォローした企業公式アカウントの発信情報は広告を除いてタイムラインに流れてくることはないので自分の友人の投稿しか流れてきません。
WeChatは1日に9割以上のユーザーが1度は開き、10回以上開くユーザーが過半数を超え、1日のうちに多くの人の目に触れ流というデータがあります。これを狙って多くの企業が広告を実施しています。
WeChatはメッセージのやりとりだけでなく、ビジネスシーンでの利用やキャッシュレス決済での活用など幅広い利用法があります。まさに、生活に根付くSNSとして中国人の快適な暮らしをアシストするWeChat。サービスが多岐に渡るためプロモーションでの活用も期待できそうです。
【Baidu Tieba 百度贴吧】
百度(バイドゥ・Baidu)は中国で同国最大の検索エンジンを提供する企業です。
この百度の特徴は、トップページにあります。一見Googleのように検索に特化したトップページに見えますが、「人気の画像」、「人気の動画」、「ブログ検索 ランキング」、また「検索ワード ランキング」といったコンテンツが並んでいて、単なるGoogleのコピーではないことが伺えます。
他にもGoogleとの差別化はされていて、UGC(ユーザー生成コンテンツ)によって中国人ユーザーが新しいコンテンツを作成できます。
このコンセプトから、Q&AサイトであるBaidu Knows(百度知道)やBaidu Wiki8(百度百科)といったサービスが誕生しました。
また、Baiduでは情報へのアクセスだけではなく、実際にサービスへつなぐことも可能です。
例えば、Baiduを開いて「映画」と入力すると、半径2㎞内の映画館、映画の開始時間、購入できる座席が表示され、そこで座席を選んで直接支払うということも可能なのです。
Baiduが提供するサービスは数え切れないほど存在し、軽く紹介するだけでも
视频(動画を検索するサービス)、百度翻译(翻訳サービス)、音乐(音楽の検索、ダウンロードサービス)、地图(マップ、ナビサービス)、百科(オンライン百科全書)贴吧(bbs、掲示板)、知道(百度知恵袋)、百度图+(画像編集、加工サービス)、百度云观测(サイトの安全を観測するサービス)、百度商业服务市场(semツールのプラットフォーム)、百度舆情(サイト評価を分析するツール)、百度精算(広告監視、効果を図るサービス)、百度传课(オンライン勉強ツール)、百度脑图工具(オンラインマインドマップツール)、百度影音(動画プレイヤー、ダウンロードしながら視聴できる)、百度音乐(音楽検索ツール)といった種類が存在します。
【RED 紅小書】
REDとは、2億人の超えのユーザー数を誇る中国の口コミECアプリです。
元々は中国版インスタグラムと呼ばれていて、おしゃれな写真をあげたりして交流することから中国版instagramと呼ばれていました。
しかし、数年前投稿にリンクを貼ることで商品購入が可能になるECカート機能がついたため、amazonとinstagramを足したようなアプリと言われています。
また、REDはインフルエンサーが商品紹介をすることが主流のSNSで、インフルエンサーマーケティングをする上で最適なSNSです。
インフルエンサーがある商品を投稿する → ユーザーがその投稿を閲覧、商品のことを知る → 商品名をREDで検索し、カタログのような感じで見る → 他の投稿も閲覧して比較検討、商品が欲しくなったらRED内のEC機能で商品を購入
という流れが出来上がっています。
平均コンバージョン率は9%で、中国最大級の口コミECアプリと言っても過言ではないです。
中国におけるSNSプロモーションのポイント
中国のネット事情や支持されているSNSについて理解が深まりましたか?最後にいざ中国の顧客に向けてプロモーションするとなった際に、注意するべきポイントをいくつかご紹介していきます。
ポイント① 口コミが命!
中国市場は日本以上に口コミが重要視される文化です。日本と比べて偽物や粗悪品が多く流通しているため、様々な情報を元に信用できる商品か見定める必要があるのです。また、中国当局の規制管理下に置かれているマスメディアが、信憑性に欠けているという考え方から口コミ文化が発達したとも言われています。
若者はSNSや動画サイトを通じれレビューを確認した上で、購入することが当たり前となっています。
口コミが大事ということは、評判になると宣伝に力を入れなくても、ユーザーが他の人にオススメする形で宣伝してくれます。一方で一度マイナスの評価をされてしまうと、同じように伝わってしまうため、イメージの回復が難しくなってしまうでしょう。
ポイント② 正しい中国語を使う
海外へ向けた宣伝をする時、大きく立ちはだかるのが言葉の壁。正しい言葉を使えないと正しい情報を伝えられなかったり、細かい表現の違いがマーケティングに支障を与えることもあります。せっかくのプロモーションも言葉で失敗してしまったらもったいないですよね。
自社でWeiboやWeChatなどのSNSを運用する場合、担当者の中国語スキルが重要視されます。異国のSNS支持を獲得するためにも、中国語のスキルと文化への理解がある担当者を選任しましょう。
ポイント③ 動画の活用
日本でもYouTubeやNetflixなど様々な動画サービスが、人々の暮らしを豊かにしています。ただ、中国ではそれ以上にネット動画がブームになっているのです。中国のネットーユーザーの73.9%が動画を視聴しており、大多数の支持を得ていることがわかります。
「2018年中国インターネット視聴発展研究報告」によると、オンライン動画の市場規模は前年比31.2%増の1,249億5,000万元になると言われており、今後も右肩上がりで成長していくと予想されています。
そんな動画を利用して商品や観光地のアピールをする日本企業も増えています。iQiyiやYouTubeのような楽しみ方ができる動画共有サイトYouku(优酷)はもちろん、SNSであるWeiboでもアカウントを利用して動画配信ができます。そのため、SNSとうまく連動させながらプロモーションができるのです。
ポイント④ インフルエンサーマーケティングを活用する
自分達の企業アカウントを作って宣伝をするのも一つの方法ですが、ゼロからのスタートとなるので長期間の運用が不可欠です。短期で結果がほしい方は現地で人気を集めているインフルエンサーに協力してもらうのも一つの手。
中国でインフルエンサーやユーチューバーにあたる人達をKOLや網紅と呼びます。SNSのフォロワー数は多い人だと3000万人もいるため、その影響力の大きさが伺えます。
ここでのポイントは自社の商品やサービスと親和性の高いインフルエンサーを起用することです。日本の著名人と同じように、各々に独自のカラーがあります。そして、支持するファンにもそれぞれ特徴があるのです。ただ人気が高いインフルエンサーを選ぶのではなく、これらの特徴をとらえた上で、うまくマッチする人とタッグを組みましょう。
まとめ
今回は中国におけるSNSプロモーションのポイントをお話してきました。国内とは異なる戦略が必要であることがわかりましたね。普段使い慣れないSNSを使って異なる価値観を持つターゲットにアプローチするのは、自分達だけでは難しいかもしれません。
そんな時は、中国向けのプロモーションを得意としている企業や専門家に依頼してみてもいいかもしれません。自分達の技術と到達すべきゴールを考慮した上で最適なアプローチをしてみてください。