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【週刊】キャンペーンサイト/WEBプロモーション事例と考察2025/7/28-8/1

キャンペーンサイト制作を得意とする我々が、他社のキャンペーンを見て、企画と制作でどこがタメになるか、最近のトレンドはなにかを収集・分析していきます。WEB担当者がどのようなキャンペーンを行うか検討するときに活用していただければ幸いです。2025年7月第5週は5個!

エアー®サロンパス® × ハイキュー!!フォロー&リポスト Xキャンペーン|久光製薬

エアー®サロンパス® × ハイキュー!!フォロー&リポスト Xキャンペーン|久光製薬
キャンペーン概要Xをフォローと特設サイトにある《リカバリー講座》を閲覧し、記事末尾に表示される専用ハッシュタグをつけて引用リポストで参加
インセンティブエアー®サロンパス® × ハイキュー!! オリジナルアクリルスタンド 500名様
使用SNSX

キャンペーンのポイント

【フォロリポで商品理解を深める方法!】

「全力プレーを、エアーで支える。」のキャッチコピーを掲げた、エアー®サロンパス® × ハイキュー!!のコラボキャンペーン。

一見、Xのフォロー&リポストで参加できるシンプルなキャンペーンに見えるのですが、特設サイトにある日向翔陽・影山飛雄・清水潔子による「リカバリー講座」を閲覧し、記事末尾に表示される専用ハッシュタグを探して、それを引用リポストで投稿することで応募完了となる仕組みになっています。

「リカバリー講座」は推しキャラがアイシング講師として登場し、部活終わりのトレーナーとして寄り添いながら、練習後のケアを丁寧に指南してくれると言うもの。

キャンペーン参加の有無にかかわらず、「ゲームや勉強で同じ姿勢が続いたら3分ストレッチ」といったセルフケア意識を高めつつ、アクリルスタンドがほしいファンの方にはエアーサロンパスの強みをテキストコンテンツで訴求して、理解を深めてもらう流れを作っています。

【リカバリー講座を読んで応募!】

さらに推しキャラ以外のリカバリー講座も受けてもらうため、それぞれの講座にあるハッシュタグをつけて投稿すると、それに合わせて当選確率が増えていく仕組みにしていて、たくさんコンテンツに触れることによってさらに商品知識を得られるようになっています。

それにより説明が若干難しくなっていますが、ハイキューファンは構わず読んでくれることでしょう。

商品理解はクイズコンテンツやゲームコンテンツにするパターンが多いですが、本キャンペーンはテキストコンテンツでのリカバリー講座を通じて「ジェット噴射で瞬時に冷却」「微香性で教室でも使いやすい」といった強みをマンガ世界観で分かりやすく伝えつつ、うまくXキャンペーンと絡めています。

エアー®サロンパス® × ハイキュー!!フォロー&リポスト Xキャンペーン|久光製薬
エアー®サロンパス® × ハイキュー!!フォロー&リポスト Xキャンペーン|久光製薬

【動画で解説!】エアー®サロンパス® × ハイキュー!!フォロー&リポスト Xキャンペーン|久光製薬

プリッツコーデセットプレゼントキャンペーン|江崎グリコ株式会社

プリッツコーデセットプレゼントキャンペーン|江崎グリコ株式会社
キャンペーン概要パッケージ裏面を目元や口元にかざし、写真を撮ってシェアして楽しめる。内側にはアナログインスタントウィンも。
インセンティブプリッツコーデセット(プリッツTシャツ&プリッツクリップ) 400名様
使用SNSなし

キャンペーンのポイント

【裏面デザインがセリフ付きマスクに!】

パッケージの裏面デザインを、目や口に当ててプリッツマスク写真を撮れるというもの。

印刷されている「信じられない…!」「ここが正念場!!」 など15種のセリフで、照れくさくてうまく伝えられない気持ちを顔ごと掲げて代弁してくれる、というストーリーになっています。

「マスク=会話がしづらい」というコロナ禍を思い出させる内容ですが、未だにマスクを外せない学生がいるという課題において、口を隠すはずのマスクで話をするきっかけにするという逆転の発想なのでしょうか。

また「マスクをかざして写真を撮って遊ぼう」とコミュニケーションをとっているのですが、顔写真ということもあり、応募で使用するようなキャンペーンはなく「#プリッツマスク」でシェアしてね、で留めています。

【当たり付きパッケージ!】

同時実施のプレゼントキャンペーンは、インセンティブがちょっとかわいい「プリッツコーデ」で、プリッツが入るTシャツなどが当たります。

参加方法はアナログで、パッケージ内側に「当たりマーク」があったら郵便ハガキに貼って応募というものです。

若者向けキャンペーンだとは思うのですが、今時の若者がハガキ代を払ってまで応募するのはかなりのハードルではないでしょうか。コストの関係なのか、インパクトのあるビジュアルとマストバイで陳列をとりにいく最善策なのか、難しいところです。

インスタントウィンになっているのはその場で開いて楽しめるため、店頭での体験が上がるとは思うのですが、ハズレの箱で食べるプリッツはいつもより塩辛いでしょう。

ハガキと若者は相性が悪そうなので、スマホで完結するレシートマストバイキャンペーンでのインスタントウィンにしたほうが参加しやすさは上がりそうです。

プリッツコーデセットプレゼントキャンペーン|江崎グリコ株式会社
プリッツコーデセットプレゼントキャンペーン|江崎グリコ株式会社

【動画で解説!】プリッツコーデセットプレゼントキャンペーン|江崎グリコ株式会社

「クレヨンしんちゃん オラのすごろく大作戦」事前登録キャンペーン

「クレヨンしんちゃん オラのすごろく大作戦」事前登録キャンペーン
キャンペーン概要「アナタに似ている『クレヨンしんちゃん』キャラは?キャラクター診断キャンペーン」ほか、公式LINE上で3つの企画を同時開催
インセンティブ壁紙などのデジタル特典
使用SNSLINE

キャンペーンのポイント

【ゲームローンチをLINEで盛り上げる!】

スマホゲーム「クレヨンしんちゃん オラのすごろく大作戦」の事前登録キャンペーンは、Xはもちろん、LINEに力を入れていて「アナタに似ているクレヨンしんちゃんキャラは?キャラクター診断キャンペーン」や「毎月1回の運試し!その場で当たるLINEキャンペーン」などを行っています。どちらもLINE友達登録はマストです。

診断は30秒で終わる2択の質問に答えるだけで、自分に似ているクレヨンしんちゃんキャラクターを全8種類診断できます。

本キャンペーンのように、ゲーム系プロモーションの事前登録キャンペーンでLINEに重きをおいているのは珍しく、日本の主要スマホゲームは、ほぼ例外なく公式Xを運用し、イベント日程やガチャ更新を即時告知していて、やはりプロモーションにおいても主戦場かなと思います。

Xについで多いのがTikTokで、インストール単価が他媒体より最大55%低いという事例があったり、ローンチ期のユーザー獲得に使われたり、ショート動画でゲーム内容を見せられたり、そのショート動画を他の広告に使いまわしたりできます。

その点LINEはPUSH通知で確実に再訪を呼び込めるので、友だち獲得→リリース時に一斉通知でインストールと言う流れは作りやすい。ただ送信にお金がかかるので敬遠されているという印象です。

【ターゲットに応じたプラットフォーム選びは大事!】

誰でも知っているIP「クレヨンしんちゃん」を、診断というライトコンテンツで体験させ、ゲーム未経験層にも「とりあえず触ってみよう」と思わせる導線を用意しています。

本インスタントウィンもシンプルに友だち追加させることができています。

友だち数に応じて、達成報酬でゲーム内アイテムもプレゼントされるので、ゲームがローンチされたときにブーストがかかりますね。

IPがクレヨンしんちゃんというところもあり、家族での参加もあるので、XやTikTokよりもLINEというプラットフォームに重視しているのでしょう。

ターゲットに応じたプラットフォーム選びは大事です。

「クレヨンしんちゃん オラのすごろく大作戦」事前登録キャンペーン
「クレヨンしんちゃん オラのすごろく大作戦」事前登録キャンペーン

【動画で解説!】「クレヨンしんちゃん オラのすごろく大作戦」事前登録キャンペーン

#マジでお願いだから男梅サワーの味をどうにか表現してほしいマジでキャンペーン|サッポロビール株式会社

#マジでお願いだから男梅サワーの味をどうにか表現してほしいマジでキャンペーン|サッポロビール株式会社
キャンペーン概要対象ポストを、あなたなりの男梅サワーの味をテキスト・画像・動画で表現して引用リポストし参加
インセンティブサッポロ 男梅サワー 350ml 6缶セット 抽選で100名様
使用SNSX

キャンペーンのポイント

【男梅サワーの大喜利プロモーション!】

しょっぱい?すっぱい?あまい?と、言葉にしづらい男梅サワーの味を、「レビューでも絵でも歌でもAIでも、なんでも良いから表現してくれ!」 といった、いわゆる大喜利コンテストで、それを男梅サワー独特の世界観で表現しています。

大喜利は「笑わせる」という表現にしてしまうとハードルが高くなってしまうのですが、本キャンペーンは「どんな表現にしたらいいか教えてほしい」というスタンスで、どんな形でも引用リポスト内ならOKにしてハードルを下げています。

インセンティブは「お~いお茶の新俳句」さながら、選ばれた味の表現が缶デザインに入り、限定缶として発売されます。

【テキストも画像もなんでもあり!】

大喜利投稿をピックアップしていくと、AIを活用した画像投稿があり、ちゃんと表現の幅を広げています。

インフルエンサー活用も行っていて、Youtubeでも連動して曲で表現してもらっています。

ハッシュタグをつけた投稿に対して広告が打てなくなってしまった昨今、「#PR」も使えなくなり、こちらの投稿も単純に「PR」をテキストベタ打ちになっています。目立たなくなったためか効果が薄れたような気もします。

消費者発の多彩な表現を集め、梅干し系サワーの複雑な味わいを言語化してもらい、今後のプロモーションに使えるキーワードを増やす作戦です。さらにビジュアルの資産化もできています。

#マジでお願いだから男梅サワーの味をどうにか表現してほしいマジでキャンペーン|サッポロビール株式会社
#マジでお願いだから男梅サワーの味をどうにか表現してほしいマジでキャンペーン|サッポロビール株式会社

【動画で解説!】#マジでお願いだから男梅サワーの味をどうにか表現してほしいマジでキャンペーン|サッポロビール株式会社

ふくしまピーチホリデイ 2025|一般社団法人福島市観光コンベンション協会

ふくしまピーチホリデイ 2025|一般社団法人福島市観光コンベンション協会
キャンペーン概要参加店で店頭QRを読み取りスタンプGET。集めたスタンプ数に応じて抽選エントリー
インセンティブ指定店舗で使える300円引きクーポン 800本宿泊券や福島グルメなど、参加店共産品 83本福島市内の指定宿泊施設で使える宿泊補助券1万円分 6本「ももりん」または「ブラックももりん」のフロッキーフィギュア 合計10本
使用SNSなし

キャンペーンのポイント

【桃をテーマにスタンプラリー!】

福島市の夏の風物詩とも言える桃を盛り上げる「ふくしまピーチホリデイ」が4年目を迎えました。

夏だけでなく、春夏秋冬の4エディション制に刷新され「桃=夏物」だった固定観念を壊し、桃を通じて福島に365日訪れる理由を創出しています。

桃スイーツや桃メニュー、さらには桃宿泊プランや、オシャレな桃狩り体験など、桃にまみれることはもちろんのこと、ストーリーの主役は規格外桃となっていて、傷やサイズで市場に出ない桃を、スイーツ・会席・温泉各所で再生させSDGsへの取り組みとし正義を貫いています。

デジタルでは「目指せ!桃にまみれる365日」を合言葉にスタンプラリーを実施。ブラウザ起動し、店頭QRでログインなしにスタンプ収集し、その場でクーポンが当たるというもの。

さらにスタンプ数に応じて選べる抽選賞は バリューの累進性を演出し、完走を促しています。

【SNSでのブラウザ起動は注意が必要!】

ログインをしないブラウザだけで参加できるスタンプラリーは、お手軽な反面、端末側のセッションを活用するためSNSでのブラウザ起動は注意が必要というのが大事な部分です。

SNSで起動したブラウザは、毎回履歴がクリアになるため、スタンプが消えてしまう罠があるのですが、さすが4年目、きっちり注意点として大きく書かれています。

皆様も提案する際にはご注意を。

「桃にまみれる」というワードで憧れ共感をいだき、SDGs×応援消費で正義を振りかざし、デジタル導線で体験をゲーム化し、シーズン分割でリピーターを促しています。

ふくしまピーチホリデイ 2025|一般社団法人福島市観光コンベンション協会
ふくしまピーチホリデイ 2025|一般社団法人福島市観光コンベンション協会

【動画で解説!】ふくしまピーチホリデイ 2025|一般社団法人福島市観光コンベンション協会

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この記事を書いた人

村上 烈

株式会社NONAME Produce代表取締役。2006年8月、早稲田大学在学中に同社を設立。デジタルキャンペーン黎明期から18年以上にわたり、第一線でデジタルディレクターとして活躍。

キャンペーンコミュニケーション設計・戦略を武器とし、SNSの各種プラットフォーム(X〈旧Twitter〉、Instagram、TikTokなど)と連動したキャンペーンの企画・制作を手掛ける。 2020年からはYouTubeにて、SNSキャンペーンの手法や最新トレンドを解説する動画を1000本以上投稿。APIを活用したウェブ技術とクリエイティブデザインを組み合わせた手法を強みとし、その独自の知識と経験を基に、現在では「WEBキャンペーンシステム Aha!」「Xキャンペーン支援ツール BirdCall」「Instagramキャンペーンシステム ImStar」などの自社サービスの設計・統括を行う。