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【週刊】キャンペーンサイト/WEBプロモーション事例と考察2025/8/25-8/29

キャンペーンサイト制作を得意とする我々が、他社のキャンペーンを見て、企画と制作でどこがタメになるか、最近のトレンドはなにかを収集・分析していきます。WEB担当者がどのようなキャンペーンを行うか検討するときに活用していただければ幸いです。2025年8月第4週は5個!

ごろグラ“づくし”対決!あなたはどっち派!!人気投票キャンペーン|日清シスコ株式会社

ごろグラ“づくし”対決!あなたはどっち派!!人気投票キャンペーン|日清シスコ株式会社
キャンペーン概要対象商品を購入したレシートアップロードとともに好きなフレーバーに投票するマストバイキャンペーン
インセンティブ・いちご賞:「いちごが映えるスイーツづくり!フルーツ飴製造メーカー(オリジナルプレート・オリジナルシール付き)」147名様・さつまいも賞:「素材の魅力をまるごと堪能!本格焼き芋メーカー(オリジナルプレート・オリジナルシール付き)」147名様・Wチャンス賞:「ごろグラ詰め合わせセット」294名様
使用SNSなし

キャンペーンのポイント

【商品購入で好きなフレーバーを応援!】

日清シスコの「ごろグラ」の投票キャンペーンは、対象商品の「いちごづくし」と「彩り果実とさつまいも」を購入したレシートで投票するクローズドな形式のキャンペーンです。

ユーザーは自分が買った(=支持する)フレーバーに一票を投じるという、一票をお金で買い取るようなキャンペーンとなっています。

通常無用な争いごとを作り上げ、遺恨を残し対決させる、プロレス的なシングルマッチとなるパターンが多いのですが、本企画はお金がある方が強いという図式になります。

基本ベースは購買施策なのでモチベーションはインセンティブで作っているようです。いちご賞は「フルーツ飴製造メーカー」、さつまいも賞は「本格焼き芋メーカー」と、それぞれの商品の世界観を広げるような景品が用意されています。

ユーザーは「当たったら、ごろグラを足してフルーツ飴を作ろう」などと、商品の楽しみ方をさらに想像できます。

【購買施策で公開市場調査!】

企業側から見れば、これは「購入」という最も熱量の高い行動に基づいた、壮大な公開市場調査と言えるでしょう。どちらの商品がよりファンに支持されているのか、リアルなデータを取ることができます。

単に「買ってね」と訴えるのではなく、「対決」というエンタメ性を持たせることで、ただのレシートマストバイキャンペーンからファン同士の戦いを見ることができる仕組みです。

どちらかが勝ったからといって、何があるわけでもない平和な対決ではあるのですが、「どちらのフレーバーが、お金を払ってくれるファンに支持されているか」を測るというのは面白いですね。

ごろグラ“づくし”対決!あなたはどっち派!!人気投票キャンペーン|日清シスコ株式会社
ごろグラ“づくし”対決!あなたはどっち派!!人気投票キャンペーン|日清シスコ株式会社

【動画で解説!】ごろグラ“づくし”対決!あなたはどっち派!!人気投票キャンペーン|日清シスコ株式会社

Red Bull Tetris|レッドブル・ジャパン株式会社

Red Bull Tetris|レッドブル・ジャパン株式会社
キャンペーン概要スマートフォンでRed Bull Tetrisをプレイし、プレイ結果を登録すると、成績が国内大会の結果に反映される
インセンティブ東京ゲームショウ内で行われる国内王者決定戦への出場権。さらに勝ち抜いたトッププレイヤーは、ドバイで開催される世界決勝大会への出場権が得られる。
使用SNSなし

キャンペーンのポイント

【異色コラボの世界規模キャンペーン!】

エナジードリンクの王者「Red Bull」と、懐かしのブロックパズルゲーム「テトリス」という意外な組み合わせで世界大会を行っています。

このキャンペーンは、オンライン予選を勝ち抜いた猛者たちが、1989年に発売されたNES版(海外版ファミコン)の「テトリス」で日本一を争うというもの。優勝すれば、ドバイで開催される世界大会への出場権が手に入ります。予選は実機での対決ではなくブラウザ再現のテトリスになっているので、だれでも参加できるのがいいですね。もちろん決勝はオフラインです。

ユーザーからすれば、ルールを知っているテトリスだからこそ、トッププレイヤーたちの信じられないような高速プレイを見て、その「ヤバさ」が直感的に理解できます。また、テトリスという誰もが知るコンテンツを通じて、ブランドの核となる「翼をさずける」というメッセージを提供しています。

【誰でも知ってるゲームで熱狂を生む!】

実機の方はコントローラーの持ち方が進化していて、ハイパータッピングと言われる高速回転を可能にした形から、ローリングと言われるコントローラーの背面に指を置き、叩くように指を滑らせて連打し、その振動を利用して、十字キーに乗せたもう片方の手の親指にボタンを押し込ませるという、ゲーム内容やフィジカルではなく、コントローラーの構造をも利用しています。気になる方はYoutubeなどにもアップされているのでぜひ。

レッドブルは様々なeスポーツを応援していますが、あえて30年以上前の「クラシックテトリス」を選び、さらにブラウザ活用で参加の裾野を広げつつ、「熱狂」や「感動」という体験を提供するブランドと知っていただく素晴らしい施策になっています。

Red Bull Tetris|レッドブル・ジャパン株式会社
Red Bull Tetris|レッドブル・ジャパン株式会社

【動画で解説!】Red Bull Tetris|レッドブル・ジャパン株式会社

365 CHEERS LABEL by GREEN LABEL|キリンホールディングス株式会社

365 CHEERS LABEL by GREEN LABEL|キリンホールディングス株式会社
キャンペーン概要サイト上で、365日から好きな日付と名前を選んで、オリジナルデザインの「淡麗グリーンラベル」の缶ラベル画像を作成後Xにシェアし、1日1回抽選に参加
インセンティブご自身がデザインした「淡麗グリーンラベル」オリジナル缶1本「淡麗グリーンラベル」通常缶1本(計2本)
使用SNSX

キャンペーンのポイント

【グリーンラベルのUGC創出施策!】

特設サイトで自分の好きな日付と名前を入れたオリジナルラベルをデザインし、それをXでシェアすると、抽選で10,000名にそのオリジナルデザインの缶が当たるというキャンペーン。

「日付と名前(あるいはメッセージ)を入れてオリジナルラベルを作る」という手法は、様々な企業が実施している王道とも言えるスキームです。父の日やバレンタインデーなどにこのスキームは活用されることが多く、ユーザーは「自分だけの物語」を商品に入れ込むことができます。

他にも自分の誕生日、恋人との記念日などの特別な日に、ユーザーはラベルを作りながらその日の思い出に浸りつつ、その人にとっての「特別な一本」へと変えるわけです。

そんな「特別な一本」を作る体験を通じて、ユーザーの日常にある乾杯シーン、特に「ちょっとしたお祝い」の瞬間にグリーンラベルを刷り込むことができます。

【当選10000名のUGCが担保されている!】

ユーザーが作った多種多様なオリジナルラベルがX上にシェアされることで、膨大な数のUGCが生まれ、「特別な一本」も含め、自分ごと化を促しています。

購入を必須としないため参加のハードルが低く、情報の拡散力を最大化している点と、数多あるビールの中で、いかにして個人の体験に結びつけ、ブランド想起をさせるか。その一つの答えを、このキャンペーンは示していると言えるでしょう。

「淡麗グリーンラベル」をユーザーの日常の乾杯シーンに溶け込ませることと、特別な日や人を想起させるというのを同時に行っています。好きなアニメキャラクターの誕生日など推し活にも活用できそうです。

365 CHEERS LABEL by GREEN LABEL|キリンホールディングス株式会社
365 CHEERS LABEL by GREEN LABEL|キリンホールディングス株式会社

【動画で解説!】365 CHEERS LABEL by GREEN LABEL|キリンホールディングス株式会社

夏のBINGOフェス|サントリー株式会社

夏のBINGOフェス|サントリー株式会社
キャンペーン概要LINEにて複数対象商品のバーコードを読み込むと商品に応じてビンゴの穴を開けられる。ビンゴを揃えると応募完了
インセンティブ1ビンゴコースPayPayポイント 200ポイント / 8,550名様(即時抽選)2ビンゴコースPayPayポイント 500ポイント / 1,380名様(即時抽選)コンプリート ビンゴコースPayPayポイント 5,000ポイント / 120名様(事後抽選)
使用SNSLINE

キャンペーンのポイント

【ビンゴでついで買いを促す!】

夏のビール商戦でサントリーが、対象商品のバーコードを読み込んでマスを埋めていく「BINGOフェス」を実施しました。ユーザーはLINEで参加し、プレモルや金麦、角ハイボールなど異なる商品を購入することでビンゴシートを埋めていき、ビンゴが揃うと応募が可能になるというもの。

スタンプラリーと違うのは、「あと一つでリーチ!」「次はあれを買おう」というゲーム感覚を煽り、普段は買わない商品にまで手を伸ばさせる点にあります。

日々のお酒選びに「マスを埋める」という小さな達成感を付け加えることで、顧客を巧みにゲームの参加者に変え、クロスセルを促進しながら購買データを収集してます。

【毎日応募でブランドとの接触を習慣化!】

バーコード読み取りは1日1回までというルールにより、一気にまとめ買いされて終わるのではなく、キャンペーン期間中、毎日のようにユーザーにサイトへアクセスさせ、サントリーブランドとの接触を習慣化させてます。

ビンゴという形式は、複数の異なる商品を購入してもらうクロスセルを促すのに最適です。ビールもハイボールも、まとめてサントリー製品で揃えてもらうことで、夏の商戦でのシェアを一気に拡大する狙いが見えます。

夏のBINGOフェス|サントリー株式会社
夏のBINGOフェス|サントリー株式会社

【動画で解説!】夏のBINGOフェス|サントリー株式会社

\森に、未来に、笑顔を/森ネタ漫才グランプリ2025~あなたの一票で森ネタNo.1を決めよう!~キャンペーン|アサヒグループジャパン株式会社

\森に、未来に、笑顔を/森ネタ漫才グランプリ2025~あなたの一票で森ネタNo.1を決めよう!~キャンペーン|アサヒグループジャパン株式会社
キャンペーン概要X(旧Twitter)とTikTokに投稿されている「森ネタ漫才」の動画を視聴し10点満点で採点投稿するキャンペーン
インセンティブAmazonギフトカード100円分:1,000名様(X:500名様 TikTok:500名様)
使用SNSX、TikTok

キャンペーンのポイント

【森ネタ漫才を採点!】

森ネタ漫才グランプリは、XやTikTokで公開される「森」をテーマにした漫才動画を見て、ユーザーが審査員気分で10点満点の点数をつけて投稿するというもの。森と漫才という異色の組み合わせですが、企業のCSR活動をSNS時代に合わせてどう届けるか、という課題を上手く解決できています。

アサヒが長年続けている「アサヒの森」という森林保全活動を、「環境保全に取り組んでいます」と真正面から伝えても、なかなか興味を持ってもらえないのが現実。そこで「お笑い」「グランプリ」というエンタメの衣を着せることで、ユーザーが楽しみながら自然とアサヒの活動に触れる設計にして、堅苦しくなりがちなCSR活動を、SNS上でスルーされないコンテンツにしています。

【CSRを面白く伝える!】

キャンペーンの参加方法として、TikTokではコメント欄に投稿し、さらにDMで「アサヒの森」と送信する必要があります。これはTikTokのAPI的にコメントは収集できる+DMを送ってくれているとDMを送り返すことができるというルールが有るため、こんな不思議な形になっているわけです。

「環境問題」や「CSR」といったテーマは、真面目に伝えようとすると、どうしても堅苦しく、ユーザーに敬遠されがちなので、「漫才」という誰もが楽しめるコンテンツを使った「伝えたいことを、相手が聞きたい形に変換する」手法の好例です。

\森に、未来に、笑顔を/森ネタ漫才グランプリ2025~あなたの一票で森ネタNo.1を決めよう!~キャンペーン|アサヒグループジャパン株式会社
\森に、未来に、笑顔を/森ネタ漫才グランプリ2025~あなたの一票で森ネタNo.1を決めよう!~キャンペーン|アサヒグループジャパン株式会社

【動画で解説!】\森に、未来に、笑顔を/森ネタ漫才グランプリ2025~あなたの一票で森ネタNo.1を決めよう!~キャンペーン|アサヒグループジャパン株式会社

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この記事を書いた人

村上 烈

株式会社NONAME Produce代表取締役。2006年8月、早稲田大学在学中に同社を設立。デジタルキャンペーン黎明期から18年以上にわたり、第一線でデジタルディレクターとして活躍。

キャンペーンコミュニケーション設計・戦略を武器とし、SNSの各種プラットフォーム(X〈旧Twitter〉、Instagram、TikTokなど)と連動したキャンペーンの企画・制作を手掛ける。 2020年からはYouTubeにて、SNSキャンペーンの手法や最新トレンドを解説する動画を1000本以上投稿。APIを活用したウェブ技術とクリエイティブデザインを組み合わせた手法を強みとし、その独自の知識と経験を基に、現在では「WEBキャンペーンシステム Aha!」「Xキャンペーン支援ツール BirdCall」「Instagramキャンペーンシステム ImStar」などの自社サービスの設計・統括を行う。