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【週刊】キャンペーンサイト/WEBプロモーション事例と考察2025/5/19-5/23

公開日:2025/06/13
キャンペーンサイト制作を得意とする我々が、他社のキャンペーンを見て、企画と制作でどこがタメになるか、最近のトレンドはなにかを収集・分析していきます。WEB担当者がどのようなキャンペーンを行うか検討するときに活用していただければ幸いです。2025年5月第4週は5個!
「HAPPY TURN’s Day みんなにハピあれ」キャンペーン | 亀田製菓株式会社

キャンペーン概要 | 対象商品のハッピーターンシリーズを合計200円以上購入したレシートを1口として応募可能。抽選で総勢1,500名様に豪華賞品が当たるレシートマストバイキャンペーン |
インセンティブ | A賞:ハッピーパウダー&ハッピースパイス「粉だけ」+フリフリ紙袋セット 500名様B賞:ハッピーターン枕 500名様C賞:ハッピーターンオリジナルクオカード1,000円分 500名様 |
使用SNS | なし |
キャンペーンのポイント
【「あの粉」が当たる!】
誰もが一度は夢中になった、中毒性の高いハッピーターン。今年は5月29日を「 HAPPY TURN’s Day」 と銘打ち、ブランドから皆さまへ ハピネスをターン(お返し) するキャンペーンが実施されました。
対象商品を合計200円(税込)以上購入したレシートで応募すると、抽選で総勢1,500名様に豪華賞品が当たります。
目玉となるA賞は、ハッピーパウダー&スパイス「粉だけ」 と、専用フリフリ紙袋のセット。ポテトや唐揚げはもちろん、サラダやパスタにひと振りするだけで 「魔法の粉」の真価を存分に楽しめるという、粉をメインに据えた購買キャンペーンとなっています。
【話題をさらう恒例キャンペーン!】
ハッピーターンの「粉だけ」は、2023年の初回キャンペーン登場時にはSNSで2.7万いいねを記録し、「あの魔法の粉だけが当たるなんて」と、テレビやニュースサイトで取り上げられ話題となりました。
翌年2024年4月にハッピーターン公式Xが投稿した、「粉だけ追いがけ動画」は 約1.5万件のいいねを記録し、リプライ欄には「絶対ほしい」「粉だけを浴びたい」「神企画」など、熱量の高いコメントが相次ぎ、トレンドワードに「粉だけ」が浮上するなど、SNSで大きな話題を呼びました。
「ハッピーターン=中毒性の高い粉」を再認識させるプロモーションとして成功し、キャンペーン自体が毎年恒例のイベント化しつつあります。


【動画で解説!】「HAPPY TURN’s Day みんなにハピあれ」キャンペーン | 亀田製菓株式会社
ちょっといい夜。いいひととき。キャンペーン | 三幸製菓株式会社

キャンペーン概要 | 夜の過ごし方診断に参加すると商品のレコメンドが。さらにレシートマストバイキャンペーンへの誘導も |
インセンティブ | セガフェイブ家庭用プラネタリウムホームスター 50名様WAQ リクライニングローチェア 40名様antina gift studio 銘酒カタログギフト 40名様 等 |
使用SNS |
キャンペーンのポイント
【ユーザーの生活に寄り添う!】
本キャンペーンは単なるお菓子の提供を超え、ユーザーに「ちょっといい夜=心からリラックスできる特別な時間」を演出することを目的としています。
忙しい日常の中で、三幸製菓の商品を手に取ることで、ユーザーは自分へのご褒美や癒しのひとときを自然と意識し、心地よい夜の過ごし方を体験できるというシーンを作り上げています。
ただ商品を消費するだけでなく、「日々の疲れを癒す時間を大切にする」というライフスタイルの変化を促していて、三幸製菓はユーザーの心の豊かさにまでアプローチし、ブランドに対する感情的なロイヤルティを育みたいということなのでしょうか。
【売上増加とファンづくりを同時に!】
本診断コンテンツは、ユーザー自身の「いいひととき」のスタイルや好みを深掘りし、よりパーソナライズされた自分のリラックス法や理想の過ごし方、より自分らしい時間づくりを考えるきっかけになっています。
診断コンテンツの良い点は、診断結果のシェアや共感を通じて、自然な口コミ効果も期待できるところ。そんな自然な口コミをきっかけにしたマストバイキャンペーンで、購入体験とデジタル体験をブリッジさせることで、ユーザーのブランドエンゲージメントを最大化し、売上増加とファンづくりを同時に達成する仕組みとなっています。
診断のデータを活用すれば、ターゲットセグメントの趣味嗜好や行動傾向の分析が可能となり、将来的なマーケティング施策の最適化や新商品開発に役立つ貴重なインサイトを得られる点も大きなメリットです。


【動画で解説!】ちょっといい夜。いいひととき。キャンペーン | 三幸製菓株式会社
クラッツ片手にクイズに挑戦! | 江崎グリコ株式会社

キャンペーン概要 | 対象商品であるクラッツのパッケージ裏面にある二次元コードをスマートフォンで読み取り、特設サイトでサッカーに関するオリジナルクイズに挑戦 |
インセンティブ | 5問すべて正解すると限定のオリジナルスマホ壁紙をプレゼント |
使用SNS | なし |
キャンペーンのポイント
【クイズに答えて壁紙ゲット!】
クラッツをスポーツ観戦と相性の良いおつまみとして再定義し、商品購入からエンタメ体験、ブランド接触までを一気通貫で設計したプロモーションです。
対象商品に付属するQRコードから専用サイトへアクセスし、サッカーに関するクイズにチャレンジして全問正解すると、全5種類の限定のスマホ壁紙がその場でもらえます。
クイズ内容は商品ごとに異なるため、複数購入の仕掛けも自然と組み込まれています。
マストバイの枠組みを活かしながら、「クイズに挑戦する楽しさ」と「必ず何かもらえる」という確実な報酬性を、バランス良く両立しています。
参加のハードルも低く、それでいて繰り返し参加したくなる中毒性があるため、短期的な購買促進だけでなく、中長期的なブランドへの親近感の形成にもつながります。
【スポーツ観戦と相性の良いおつまみとして再定義!】
「壁紙」というデジタルインセンティブは、コスト効率が高く、即時性もあるため、景品配送の煩雑さを回避しつつ、ファン向けなのでユーザー満足度を損なわない点もマーケティング的に優秀です。
クラッツを「何気ない夜の楽しみ」から「観戦タイムを彩る主役級スナック」へとポジション変化させることが狙いで、スポーツ観戦の熱量と、ブランド体験を重ねることで、単なる商品理解を超えた感情的ロイヤルティを育成しようとしているのが本施策の肝と言えるでしょう。
クイズという軽いエンタメを取り入れることで、ブランドの親しみやすさを演出しつつ、「クラッツ=ちょっといい観戦時間」というイメージを生活者の中に定着させようとしています。


【動画で解説!】クラッツ片手にクイズに挑戦! | 江崎グリコ株式会社
何が見えても完全無視 プレゼントキャンペーン | 株式会社KADOKAWA

キャンペーン概要 | サイト内に隠されたプレゼントリンクを見つけ、クイズに回答すると参加賞として画像をプレゼント。 |
インセンティブ | 抽選で映画グッズやサイン入りコミックスなどの特典が当たる |
使用SNS | なし |
キャンペーンのポイント
【世界観をマーケ施策に!】
KADOKAWAが展開する、「見える子ちゃん」実写映画公開記念「何が見えても完全無視!プレゼントキャンペーン」は、作品のユニークな世界観と連動したインタラクティブな設計により、ユーザーの没入感を高める戦略的な参加型プロモーションです。
本キャンペーンは、映画の主人公・四谷みこの「恐怖を感じながらも見えるものを完全に無視する」という独特の設定を、ユーザーに実体験させるUI/UX設計が特徴です。
特設サイトにアクセスすると、次々とおばけたちが画面上を這うように出現し、ユーザーはそれを「完全無視」してクイズリンクを探す必要があります。このインタラクションは単なる演出にとどまらず、映画のキーメッセージを体感させる導線として非常に機能的です。
クイズに正解すると参加賞として主演キャスト3名の仲良し3ショット画像をプレゼント。加えて、抽選で映画グッズやサイン入りコミックスが当たるなど、ファン心理をくすぐる特典が用意されています。
【面白いから共有したくなる!】
キャンペーン設計として、「プレゼントがあるから参加する」ではなく、「体験が面白いから共有したくなる」のがうまいですね。話題性もありそうで、ストーリーも入ってきやすいのですが、PCで見ていると罠のように無視できないおばけの演出が飛び込んできてストレスは多少あります。
映画コンテンツにありがちな情報の一方通行を避け、ユーザーの「遊び」「発見」「達成感」を促していて、さらに「怖くて面白い、クセになる日常系ホラー」をLPだけで伝えられています。


【動画で解説!】何が見えても完全無視 プレゼントキャンペーン | 株式会社KADOKAWA
中の人の裏ブルガリアレシピキャンペーン | 株式会社明治

キャンペーン概要 | 「裏ブルガリアレシピ」を閲覧し、レシピに関連するクイズに回答。正解者の中から抽選で賞品が当たるキャンペーン |
インセンティブ | 抽選で100名様にオリジナルチャームをプレゼント |
使用SNS | X |
キャンペーンのポイント
【「裏」でいつもと違うイメージを提供!】
明治ブルガリアヨーグルトが展開する「中の人の裏ブルガリアレシピ」キャンペーンは、ブランドの再定義と新たな消費シーンの創出を狙った、非常に戦略的なプロモーションです。
一般的に「ヨーグルト=朝食」や「健康管理」という印象が強い中で、本キャンペーンではあえて「裏」をテーマにし、社員(=中の人)たちが本気で考案した、ちょっと意外でユニークなヨーグルト活用レシピを公開。
ブランドの「親しみやすさ」と「多様性」を前面に押し出す構成になっています。
例えば「ふぁっとアンサンブル」など、塩・油・発酵のうま味が重なるようなレシピが紹介されており、レシピごとにビジュアル・味の特徴・アレンジのコツが丁寧にまとめられています。これにより、単なるレシピ紹介ではなく「発見のある読み物」としても楽しめる設計です。
ユーザーは「えっ、これヨーグルトに合うの!?」という驚きとともに、実際に試してみたいという好奇心が自然と湧く導線になっています。
【知る → 試す → 好きになる!】
レシピ閲覧後に参加できるクイズコンテンツが用意されており、ゲーム性を持たせた設計により、サイト滞在時間を延ばし、記憶への定着も促進しています。
正解者には抽選で、明治ブルガリアヨーグルトの歴代パッケージをモチーフにしたオリジナルグッズが当たるというファン心理をくすぐる特典付きです。
このように「インプット(レシピ)→アウトプット(クイズ)→インセンティブ(賞品)」という、心理的な満足感を高める流れが巧みに構築されています。
レシピキャンペーンは王道ですが、それを裏にしていつもと違う見せ方をしつつも、体験・発見・参加を通じて「知る → 試す → 好きになる」というマーケティングファネルをきれいに構築した好事例です。

