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【週刊】キャンペーンサイト/WEBプロモーション事例と考察2025/4/7-4/11

公開日:2025/05/02
キャンペーンサイト制作を得意とする我々が、他社のキャンペーンを見て、企画と制作でどこがタメになるか、最近のトレンドはなにかを収集・分析していきます。WEB担当者がどのようなキャンペーンを行うか検討するときに活用していただければ幸いです。2025年4月第2週は5個!
チーズデザートたべちゃおキャンペーン|六甲バター株式会社

キャンペーン概要 | チーズデザート6Pシリーズを購入しレシートを送ると応募完了。Instagramでキーワードを探し、それを入力すると当選確率が2倍になる |
インセンティブ | Aコース Q・B・Bチーズデザート6P 8種類詰合せ 抽選で100名様Bコース Nappyオリジナルイラスト入りグッズ 抽選で30名様Wチャンス賞 えらべるPay500円相当 抽選で200名様 |
使用SNS |
キャンペーンのポイント
【ブランド強化を狙う複合型キャンペーン!】
Q・B・Bの人気商品「チーズデザート6Pシリーズ」を買って応募すると、抽選でQ・B・B詰め合わせセットや、人気イラストレーターNappyとのコラボグッズが当たるキャンペーンです。
レシートを撮影してフォームからアップロードする応募スタイルで、スマホひとつで完結できる気軽さがポイント。
Nappyの描き下ろしグッズがほしいというファンはもちろん、ハズレても「えらべるPay」が当たるWチャンスもあり、Nappyファン以外でも参加できる仕様になっています。現金配り的な見え方を抑えつつ、対象を広く取りたいときにおすすめのやり方です。
さらに公式Instagramの投稿に記載されたキーワードを入れると、当選確率が2倍になるという工夫もされています。フォローさせるのでもなく、キャンペーン投稿に隠されているキーワードを探しに行くのはあまりなかった形です。収集の必要がなく、そこに費用をかけずにInstagramに飛んでもらい、投稿内容を見てもらう回遊施策になっています。
【インスタントアンロックでインスタントウィン!】
Xでは好きな味に投票する総選挙キャンペーンを行っていて、カンバセーションボタンを活用しています。
チーズデザートシリーズは8種類あるにも関わらず、カンバセーションボタンだと4種しか出せないのは悔やまれます。カンバセーションボタンを押したあとのインスタントアンロックに当落のURLが埋め込まれていて、そこからログイン認証後インスタントウィンとして当落がわかる仕組みになっています。
もし8種類から選ばせる場合は、最初からURLを踏ませてカスタムストーリーとしてXアプリ内ブラウザを活用し、カンバセーションボタン風ページを作り、8種類のボタンを作るのが良さそうです。
チーズなのにスイーツ、しかも冷蔵庫に常備できるという利便性もあり、「今日のおやつ、Q・B・Bにしよう」と思わせてくれる、ブランドのスイーツポジションを強化するキャンペーンになっています。


【動画で解説!】チーズデザートたべちゃおキャンペーン|六甲バター株式会社
#ミスド集合で思い出の真ん中にドーナツキャンペーン|株式会社ダスキン

キャンペーン概要 | 指定のハッシュタグをつけてミスドとの思い出をSNSに投稿すると抽選でミスドカードが当たるほか、ワンカットアニメ化されるというスペシャル特典も |
インセンティブ | ミスタードーナツカード500円分 抽選で合計555名様 |
使用SNS | X |
キャンペーンのポイント
【ストーリーが秀逸なハッシュタグUGC!】
「ドーナツの真ん中には“人”がいる」というメッセージを通して、55周年という節目を「みんなの思い出で成り立った歴史」と表現した55周年スペシャルサイトが公開されました。
今田美桜さんが出演する心温まるブランドムービーのほか、ドーナツにまつわる思い出、歴代の人気メニュー、地域とのつながりを描いた「ミスド関係人口」など、55年の歩みを感じさせるコンテンツが詰まっています。
さらにミスタードーナツ55周年を記念して、「#ミスド集合で思い出の真ん中にドーナツ」というハッシュタグUGCキャンペーンも開催。ミスドと共に過ごした思い出をSNSで投稿すると、抽選で合計555名にミスドカード500円分が当たるほか、最優秀作品はワンカットアニメ化される特典も用意されています。
【思い出で共感を生み出す!】
いつかの誕生日、友達との放課後、はじめてのアルバイト帰り、何気ない記憶の中にミスドがいた、とミスドとの「ノスタルジックな思い出」を振り返るきっかけになっています。
55周年という節目を祝うと同時に、「ミスドは人々の生活のそばにいつもあった」というブランドストーリーを、ユーザー自身の言葉で再確認してもらう狙いです。ワンカットアニメという形に残るコンテンツ化を通して、UGCを資産として活用し、SNSでも話題化を狙っています。
ミスドはドーナツ以上の存在として、生活のそばで心を満たしてくれる象徴だったことを、あらためて思い出させてくれる温かいキャンペーン。企業としても、ファンとの絆を再確認し、ブランドの歴史を「個人の物語」として一人ひとりに根付かせていくプロモーションになっています。


【動画で解説!】#ミスド集合で思い出の真ん中にドーナツキャンペーン|株式会社ダスキン
Shu-Chew Beats|株式会社ロッテ

キャンペーン概要 | ガムを噛みながら音楽にノる”ことで集中力を高める、新しい形の“集中専用ツール”としてロッテが開発したプロジェクト |
インセンティブ | なし |
使用SNS | なし |
キャンペーンのポイント
【ガム=集中の認知を広げる!】
ガムを噛みながら、科学的に設計されたBGMにノるだけで集中できるという、新しい集中スタイルを提案する、ロッテの「Shu-Chew Beats(シュー・チュー・ビーツ)」が公開されました。
本企画は3つの音楽ジャンルに合わせ、気分や目的に応じた集中モードを選べる仕組みで、楽曲を手がけているのはパソコン音楽クラブ、大沢伸一、網守将平と、音楽好きも唸る本格ラインナップとなっています。
咀嚼によるリズム運動が集中力に効果があるという研究知見をベースに、音とガムのリズムシンクで脳を活性化するというもので、お菓子=お楽しみ、という既成概念を超えて、「ガムで集中」するという新習慣を生み出そうとしている挑戦的なプロジェクトです。
【BPM選んで噛むだけ!】
学生からビジネスパーソンまで、デジタル時代の集中スイッチとしてじわじわ注目されそうです。BPMを選ぶとYoutubeを活用した音楽と映像が流れ、このリズムでガムを噛むだけ。無料でBGMを聴ける、リスクがない、体験そのものが楽しい、という手軽な参加感がいいですね。
サイエンス×ミュージック×咀嚼という独自の切り口で、記憶に残るブランド体験を提供し、お菓子売場だけでなく、文具やワークスペースといった新たな販路・シーンでの展開の可能性を見据えています。


【動画で解説!】Shu-Chew Beats|株式会社ロッテ
#シェアブリーズ|株式会社ファイントゥデイ

キャンペーン概要 | 友達やクラス、部活の仲間と一緒にシーブリーズを“シェア”している様子をInstagramに投稿すると文化祭イベントへの参加権利が当たる |
インセンティブ | 「#シェアブリーズ 文化祭イベント」への参加権利 150組300名様 |
使用SNS |
キャンペーンのポイント
【イベントがインセンティブ!】
シーブリーズをみんなでシェアして青春しようというメッセージが詰まった、SNS連動企画「#シェアブリーズキャンペーン」が公開されました。
舞台は春から夏にかけて、部活や放課後、体育祭や文化祭など、一緒に過ごす時間が最も濃くなる季節。そんな特別な日常の中で、シーブリーズをみんなでシェアしている写真をInstagramに投稿すると、抽選で150組300名が「#シェアブリーズ文化祭イベント」に招待されるという内容です。
応募は簡単で、シーブリーズの公式Instagramをフォローして「#シェアブリーズ」「#キャンペーン」のハッシュタグをつけて写真を投稿するのみ。ストーリーズ投稿の場合は公式アカウントのメンションも必要です。
友達とのツーショットや、部室での何気ない一枚、体育祭のあとに汗を拭ってシューッとする姿、そのすべてが応募対象になるので、自分らしい青春の風景をそのまま切り取って投稿できる自由さがありますが、その自由さがハードルを上げてしまっている感じもします。
【爽やか体験を“青春の証拠”に変えるUGC戦略!】
文化祭イベントでは、SNSで人気の佐野先生や芽育ちゃんが登場予定とのことで、推しとリアルで会えるかもという期待感もあり、Z世代の参加意欲を高めています。
本企画では、シーブリーズを通して「誰かと一緒にいる時間=青春の一コマ」を感じられる設計が秀逸です。シーブリーズの「爽やかで、いつもそばにある存在」というブランドイメージが、投稿というアクションを通じて体験として定着していきます。
夏の香りとともに、誰かと共有した記憶がシーブリーズとリンクする。そんな香りの記憶を青春と結びつける、王道かつ新しい参加型プロモーションで、シーブリーズ=ひとりで使うものではなく、「青春をシェアする象徴」であるというポジションを強化しています。


【動画で解説!】#シェアブリーズ|株式会社ファイントゥデイ
朝のフルーツこれ一本 フルーツ総選挙|カゴメ株式会社

キャンペーン概要 | 特設サイトでお気に入りのフルーツキャラクターを選んでXで投票するキャンペーン |
インセンティブ | 朝のフルーツこれ一本24本セット+私のフルーツこれ一本1日分のマルチビタミン12本セット 抽選で30名様 |
使用SNS | X |
キャンペーンのポイント
【カゴメの人気商品がキャラ化!】
カゴメの人気シリーズ「朝のフルーツこれ一本」が20周年を記念し、推しフルーツを選んで応援する「フルーツ総選挙」キャンペーンを開催しました。
朝の一杯にぴったりな果実ミックス飲料として、長年愛されてきたこのシリーズに登場するフルーツ達がキャラ化されて登場。それぞれに名前と性格まで設定されていて、推し活感覚で楽しめる新しい参加型企画になっています。
投票はカゴメ公式Xをフォローして、特設サイトから推しフルーツを選んでツイートするだけ。しかも1日1回参加できるので、毎朝「今日は誰に入れようかな」と、ちょっとした日課にできる設計です。
【推し活を購買促進に!】
「朝のフルーツこれ一本」がどれだけたくさんの果実のチカラでできているか、ということを「キャラ」と「投票」という親しみやすい形で可視化している点がポイントです。カシスやざくろといった普段あまり意識しない素材にもスポットが当たり、「えっ、こんなフルーツも入ってたの?」と再発見にもつながります。
また、どのフルーツが人気なのかをみんなで競う選挙形式も、Z世代〜ミレニアル層のSNSリテラシーと親和性が高く、キャラ人気が推進力となって商品購買につながる仕掛けになっています。Xでの投稿内容は自動生成されますが、絵文字や短いコメントが追加可能で、参加ハードルもかなり低めです。
ブランド20周年という節目に、あらためて「中身への愛」を感じられるプロモーションでした。朝の習慣に、推し活という楽しみをプラスしてくれる、そんな遊びゴコロが詰まったキャンペーンになっています。

