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【週刊】キャンペーンサイト/WEBプロモーション事例と考察2024/11/18-11/22
公開日:2024/12/20
キャンペーンサイト制作を得意とする我々が、他社のキャンペーンを見て、企画と制作でどこがタメになるか、最近のトレンドはなにかを収集・分析していきます。WEB担当者がどのようなキャンペーンを行うか検討するときに活用していただければ幸いです。2024年11月第4週は5個!
ピノTV | 森永乳業株式会社
キャンペーン概要 | パッケージ裏に記載されたQRコードを読み込むことで、オリジナルの番組を視聴することができる。 |
インセンティブ | なし |
使用SNS | なし |
キャンペーンのポイント
【テレビ局を開局!?】
これまでゲームコンテンツを様々なかたちで提供していたピノが、「ピノを食べる時間をもっとおもしろく、そしてワクワクするものにしたい」という思いからテレビ局「ピノTV」を開局しました。
バラエティ番組やワイドショー、恋愛ドラマ、ニュース、歌番組など、それぞれの番組にアクセスできるパッケージが全7種あり、フタ裏のQRコードを読み込むと、オリジナルの5分番組を視聴できます。
ゲームはユーザーが自ら参加して遊ぶことによって、商品訴求ができるという強みもありますが、小さい子供が参加しづらいことや、ピノを食べながら楽しむのが難しいなどの課題がありそうです。ゲームと比べ、ながら食べができるテレビ番組のほうが相性が良いか検証する実験のような気がします。
【日本各地のテレビ局とコラボ!】
番組にはお笑いトリオ・ロバートの秋山竜次さん、タカアンドトシなど、人気芸人の出演もあり、見ごたえのあるラインナップになっています。
TVK(テレビ神奈川)による、アイスに愛される恋愛ドラマ「ピノ恋」をはじめ、番組コンテンツは日本各地の7つのテレビ局とコラボしたものだそうで、クオリティは保証されています。
フタ裏にデジタルコンテンツをつけるマストバイ風キャンペーンは、おやつを食べたい子どもが、さらに動画も見れて嬉しい、という追加コンテンツでファン化を促しています。
【動画で解説!】ピノTV | 森永乳業株式会社
うまい棒 宇宙奪還プロジェクト | 株式会社やおきん
キャンペーン概要 | Xの公式アカウントをフォローし、#みんなでつなぐうまい棒をつけて投稿する |
インセンティブ | うまい棒オリジナル宇宙服 1名うまい棒トラベルセット 1,111名 |
使用SNS | X |
キャンペーンのポイント
【消えたうまい棒をみんなで奪還!】
11月11日はポッキーアンドプリッツの日だけではなく、うまい棒の日でもあります。それにあわせて、現在「うまい棒宇宙奪還プロジェクト」が開催中です。
11月11日、テイシティに宇宙船が出現し、お菓子大好き宇宙人スナックスが、お菓子とうまみちゃんを吸い込んでしまう。うまえもんはスナックスをこらしめるため、宇宙の仲間たちに助けを求める旅に出るというストーリーで、「#みんなでつなぐうまい棒」パワーを推進力に進む宇宙船というギミックでユーザーを引き付けています。
【ストーリー重視のシンプルなキャンペーン!】
キャンペーン参加方法は、Xのうまい棒【やおきん公式】をフォローして、ハッシュタグ「#みんなでつなぐうまい棒」をつけて投稿するというシンプルなもの。インセンティブがオリジナル宇宙服やトラベルセットといった、宇宙を意識した内容で、ストーリーがしっかりしているからこそ、シンプルな建付けでも成立します。
ユーザーのハッシュタグが増えれば増えるほど次の星に進んでいき、ストーリーが見られるようになっていくのはワクワクします。子どもから「どれくらい集まった?」と聞かれて、ストーリーを一緒に見ていくなどのシーンも想像できます。
Xの運用コンテンツとしても、ストーリー部分は活用できますし、持ち上げる施策も色々打てるため、キャンペーン期間は3ヶ月と長めに取っています。子供向けストーリーでも宇宙服が当たるなど夢があり、親子で楽しめる内容になっています
【動画で解説!】うまい棒 宇宙奪還プロジェクト | 株式会社やおきん
#じゃがりこリズムチャレンジ|カルビー株式会社
キャンペーン概要 | リズム音をダウンロードして、オリジナルの動画を作成しTikTok、X、Instagramに投稿してもらうUGCキャンペーン |
インセンティブ | WEBCM出演&じゃがりこ1ケース(1ケース当たり12個入)選考で30名 |
使用SNS | TikTok、X、Instagram |
キャンペーンのポイント
【リズムネタで話題化を図る!】
本キャンペーンはTikTokクリエイターによるお手本動画をベースに、リズムに乗った動画を撮影してもらい、優秀な投稿をした人はWEBCMに出演できるという、動画投稿系では王道の流れになっています。
TikTokerにとって、WEBCMに乗れたとあれば一躍乗ります。それを名刺にフォロワーを増やすことができるのは、インセンティブとしての価値が高いわけです。
しかし、動画を投稿させるというのは、どんなものを撮影するか考え、編集し、それをSNSに公開するという、どう考えてもハードルが高いもの。そこで、じゃがりこリズムはリズムを使うということと、表現方法を30個も提案しています。
【あのリズムでオリジナル動画を作成!】
まずはリズムをダウンロードするわけですが、クセが強いAと、リズムがわかりやすいBがあります。これらを頭に刻み込んで、「じゃがりこからの挑戦」で表現方法を見ていけば動画のイメージも膨らみます。
「じゃがりこからの挑戦」では、TikTokでよくありそうな表現をしっかり打ち出していて、リズムで音楽を作ってもよし、踊ってもよし、自分の芸を乗せてもよし、とTikTokで流行りそうな内容になっています。
TikTokだけだと難しいのか、もっと気軽に投稿ができるXやInstagramなども含めて投稿可能になっています。ここまでお膳立てされていれば、バズとは言わないまでも、投稿数が期待できそうです。
TikTokでUGCキャンペーンは成功例を見たことがないのですが、それでも企画を通せるのは、再生数のある人が投稿して火がついた事例などで説得し、せっかくだからUGCもという流れなのでしょうか。
【動画で解説!】#じゃがりこリズムチャレンジ|カルビー株式会社
開運お掃除占い|ユニ・チャーム株式会社
キャンペーン概要 | 生まれた年を入力すると運気アップの掃除ポイントを占ってくれる |
インセンティブ | なし |
使用SNS | なし |
キャンペーンのポイント
【掃除は運気アップにつながる!】
ユニ・チャームのウェーブが「掃除しにくい洗濯機まわりのホコリもひと拭きでキレイ」と打ち出しています。
洗濯機周りのホコリは見えているけど、何を使って掃除していいかわからないし、すごい困るわけではないけど、プチストレスじゃない?というストーリーのもと、「見て見ぬふり」というワードで攻めています。
スマホサイトでは、ホコリがある場所の写真をタップすると、ホコリを掃除できるという良い演出も。PCだともっと心地よくホコリを消すことが可能です。
本キャンペーンは「ウェーブComfort Colorでどこをお掃除する?」というキャッチコピーの下、占いコンテンツを提供しています。お掃除は運気アップにつながるということで、掃除と占いコンテンツはターゲット的に親和性があるということなのでしょう。占い結果では運気アップのお掃除ポイントが見られるそうです。
【生まれ年でできる開運お掃除占い!】
九星気学(きゅうせいきがく)とは、古代中国から伝わる占術で、宇宙の気(エネルギー)を九つに分類したものと、さらに「木」「火」「土」「金」「水」の五行の相性を組合わせた占術らしく、生まれた年だけで9個に分類されます。
そのため筆者と同年代は同じ占い結果になり、全員空調家電を掃除したほうがいいということになります。同世代全員が同じ運というのも納得いかないですが、これによって掃除しよう!と思えれば大事なコンテンツとなります。
競合商品と差を見出すのが難しいと思うのですが、そんな中で「見て見ぬふり」というメインじゃないところでも使いやすい、というのを打ち出しています。占いコンテンツはこのストーリーでなくても汎用的に使える内容なので、リサイクルが可能です。
【動画で解説!】開運お掃除占い|ユニ・チャーム株式会社
肌いいフェス2024 | 株式会社ポーラ
キャンペーン概要 | 肌のためにやっていることを短歌にして送ると応募完了。膨大なデータに基づいた47都道府県別肌短歌コンテンツも提供。 |
インセンティブ | 30名にB.A ローション イマース本品をプレゼント |
使用SNS | なし |
キャンペーンのポイント
【短歌を作って応募!】
肌やお手入れについて考えるためのイベントやデジタルコンテンツを「肌いいフェス2024」として、ポーラ・インスパイアリング クルー かつプロバレーボールプレイヤーの石川祐希さんを迎え、展開しています。
47都道府県別「肌いい短歌2024」では、ポーラが保有する2,070万件を超える肌データと、全国各地の水蒸気密度・日照時間・マイクロダスト・気圧の情報を下に、地域の環境まで考慮したケア情報を落とし込んだ短歌を公開中。自身の地域がどんな肌特徴なのか見たいと思わせるものになっています。
さらにオリジナルの短歌も募集していて、すでに取り組まれている、またこれから取り入れたい肌にいいことを短歌で表現してもらうという内容になっています。
【短歌ブームに合わせたキャンペーン!】
短歌に馴染みがあるのか疑問も生まれますが、2023年頃からZ世代を中心に、現代短歌がSNSでブームを巻き起こしており、XやTiktokで投稿されているそうです。
短歌の本の世界も変わってきていて、「老人ホームで死ぬほどモテたい」(上坂あゆ美)「野球短歌 さっきまでセ界が全滅したことを私はぜんぜん知らなかった」(池松 舞)のような、タイトルからしてパンチがあり、若い世代が手に取りやすいものが出てきています。
そんな若い人にも馴染みが出てきている短歌を活用しているわけですが、短歌をXなどのSNSで全世界に公開させるというのはハードルが高いので、フォーム投稿にてクローズで募集をかけています。
「なぜ、現代短歌がZ世代の心をつかむのか?ブームの鍵は「いいね」にあった」などの記事が時々目につきます。本当に流行ってるかどうか、にわかに信じがたい情報を、クライアントの担当者並びに上司に取り入れてもらうのは骨が折れそうです。しかし、ポーラさんがやっているからといって事例があれば説得力がつくでしょう。