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広告効果の向上に役立つ!広告演出における「シズル感」とは?
更新日:2024.11.29 (公開日:2020/04/17)
今の時代、世の中はありとあらゆる広告で溢れかえっています。テレビCMや新聞、動画サイト、そして近年ではFacebookやInstagramといった媒体でも広告が用いられており、より安価で誰でも手軽に広告を出稿しやすくなっています。そのような中で、自分で広告を出してみようと思っている人も多くなってきているのではないでしょうか。本記事では、広告出稿する際に広告効果の向上に繋がるような「シズル感」というものについて紹介していきます。
シズル感とは?
まずはじめに、シズル感とは何か。シズル(sizzle)とは英語で、油で揚げたり、熱した鉄板などで何かを焼く際に生じるじゅーという音を立てるさまの意である。このようにシズルとは英語の擬音語の一つであり、これに「感」をつけることで様子を現しています。
「シズル感」を世に広めた世界一のセールスマン – エルマー・ホイラー
シズル感という造語を作ったのも世に広めたのもエルマー・ホイラーという歴史的な営業講師・コンサルタントです。彼は「ステーキを売るな、シズル感を売れ!」という名言を残しています。一体どういう意味なのか。それはステーキという商品そのものを売るのではなく、シズル感つまり商品を買いたくなるような理由を売れと言う意味なのです。
広告演出における「シズル感」の効果
「シズル感」とは要するに、広告などにおいては、消費者の購買意欲を刺激し、促進させるために有効なのです。「シズル感」とは上記したように、鉄板で焼く時の音を表現していることから、食べ物だけに用いられるように思えてしまいます。しかしながら、食べ物だけではなく、この世の商品には全て「シズル感」を与えることができると考えられます。
例えば、スマートフォンに置き換えて考えて見ましょう。皆さんがスマートフォンを買う際に重視する点は様々だと思います。軽いのか、処理速度が早いのか、カメラの性能がいいのかなどが挙げられます。この軽さだったり、処理速度やカメラ性能がスマートフォンにおける「シズル感」として捉えることができるのです。
五感から得られる「臨場感」
「シズル感」を体験するには、「臨場感」が大切になってくると考えられます。要するに、より「シズル感」を味わうためには、実際にその場にいたり、その商品が目の前にあるかのように感じるための人々の五感に訴えかけ、「臨場感」を創り出す必要があるのです。
聴覚・音から感じられる「シズル感」には鉄板で焼く際に生じるじゅーという音が挙げられます。車であればエンジン音や、商品そのものでなくても波の音や、風の音などで季節を彷彿させ、「シズル感」に繋がるのです。また、動画広告などにおいては音を利用することができるため有効なのではないでしょうか。
嗅覚・嗅覚は特に、人間の脳に直接的に情報として入ってくるため、いい匂いのするものであればそれだけで「シズル感」を得ることができます。しかしながら、匂いにおいては、広告では表現するのが難しいかもしれません。
触覚・ザラザラ、サラサラ、つるつるといった肌触りや質感は、消費者の触覚の「シズル感」に訴えることができると考えられます。例えば、肌がつるつるになる化粧品であれば、つるつるの肌は「シズル感」になるはずですし、ジャケットなどは「暖かさ」が「シズル感」になってくるでしょう。触覚という実際に触れて見ないとものではありますが、暖かさを表現するために赤っぽい色を使ったり、温度を提示することで、視覚と組み合わせてイメージさせることが可能になってくると考えられます。
味覚/食感・味覚や食感は、広告では表現できないかと思われますが、聴覚や、触覚、聴覚を組み合わせることで表現が可能であると考えられます。
例えば、アツアツの食べ物であれば「湯気」で表現したり、冷たいビールであればコップに付着した「水滴」で表現できるでしょう。
レタスの「シャキシャキ」した食感も音で表現することができます。
視覚・視覚は最も大事な要素の一つとして考えることができます。アツアツの食べ物からでる「湯気」も視覚によって認知しますし、冷たさを表現する「水滴」も視覚によって認知します。ハンバーガーから溢れ出る「肉汁」なんかも同様です。
「シズル感」に訴えかける動画事例
サッポロビール「風味爽快ニシテ 温泉篇」
こちらの動画は、新潟限定のビールのCMです。この動画では、ビールの栓を抜く音や、グラスで乾杯するときの音、肉を焼く時のじゅーっという音や、温泉からほやほやと立ち昇る湯気。
これらは視覚や聴覚から訴えかける「シズル感」を感じることができるのではないでしょうか。
芋屋金次郎「耳をすましてください篇」
こちらのCMは、「耳をすませてください」という文章から入っており、実際の動画でも、芋けんぴのコリっとした食感や挙げている時の音から消費者に訴えかけ、食欲をそそっています。
京成電鉄「まっすぐ、速い。京成スカイライナー篇」
こちらのCMにおいては、今までの食品などとは違い、京成スカイライナーを視覚的観点から「シズル感」に訴えかけています。「早い」というのを売りにしていることから、映像もスピード感あふれる映像になっており、さらには「最速36分という」具体的な数字を提示することでよりイメージしやすくしているのです。
シャルパンティエ効果や文脈効果も効果的!
シャルパンティエ効果・「大きさと重さ」の錯覚を表すものであり、広告やマーケティングなどの分野にも用いられています。シャルパンティエ効果を利用することで、消費者はよりイメージしやすくなるのです。
例文
“心まで温まる○○温泉”
“ライブにいる臨場感を楽しめるヘッドフォン”
文脈効果・知覚・認知・言語・記憶に関する概念で、その前後関係から対象となる刺激の知覚過程が影響を受けることです。
例えば、
同じコーヒーでも、「カフェで飲んだコーヒー」と「ホテルのラウンジで飲んだコーヒー」とでは、後者の方がより高級感がますのではないでしょうか。
まとめ
「シズル感」とは広告を出稿する上でとても大切な要素であることが少しはわかっていただけたかと思います。
自分の商品を売り込む際に、どれだけ自分の商品について自分のこだわりを語っても消費者には響きません。消費者の視点に立って、消費者にとってどのようなメリットがあるのか、買いたい理由を提示することこそが「シズル感を売る」ということなのではないでしょうか。
これから、自身の広告を出稿しようか考えている方々にとって少しでも参考になれば幸いです。