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ちゃんと説明出来るようになりたい「ペルソナマーケティング」

よく耳にする「ペルソナマーケティング」「カスタマージャーニー」ということば。
ついつい使ってしまうが、ちゃんと説明しようとすると難しい。

そもそも、ペルソナマーケティングってなに?

ペルソナ=架空の顧客を設定して、メインターゲットにすることで、課題を解決する手法を「ペルソナ手法」と呼び、ペルソナ手法をマーケティングに活用したのが「ペルソナマーケティング」になる。
ペルソナの国内事例で有名なのは、「Soup Stock Tokyoの秋野つゆさん」。
古めの事例なので、ペルソナ設計に曖昧さが残るけど、従来のセグメントよりは、かなりリアルな人物像だ。

秋野つゆ(37歳)
・都内在住
・独身か共働きで経済的に余裕がある
・都心で働くバリバリのキャリアウーマン
・社交的な性格
・自分の時間を大切にする
・シンプルでセンスの良いものを追求する
・個性的でこだわりがある
・装飾より機能を好む
・フォアグラよりレバ焼きを好む
・プールに行ったら、いきなりクロールから始める

ここまで詳細なプロフィールがあれば、「どう改善したら振り向いてくれるか」を具体的に落とし込めそうだ。
これがペルソナマーケティングです。
このときに1番重視したいのが、ペルソナは架空の顧客ではあるけど、空想の顧客ではないってこと。あくまで、調査・購買履歴などの既存のデータから作り上げたものになる。
(だから、ペルソナを設計するのはすごい大変な作業だ。ペルソナは魔法じゃない)

「私の脳内の顧客像から少しズレるな」と思うくらいで効果的。

ペルソナは、都合よく生み出された顧客像ではないから、居心地が悪いくらいで正解だ。
もし、脳内の顧客像とペルソナが合致しているなら、心配要らないくらいの成果が出ているはず。
そうでないなら、新たなペルソナと向き合うべきなのだ。

ペルソナマーケティングと、従来の手法の違いは?

ペルソナマーケティングとよく比較されるのが、従来のセグメントを分ける考え方。
「30代の都内在住、女性ユーザー」みたいなやつだ。
最終的な成果物としての違いは「具体的なプロフィールができているか」になる。
方法論的には
・セグメント → 巨大な集団を細分化していく。
・ペルソナ → 微細な集団(個人)を拡張していく。
と逆ベクトルのアプローチになる。

なんで、ペルソナマーケティングってもてはやされてるの?

まずは、時代性。
CDに代表されるように、大ヒットが現れず、ニーズが細分化してるなかでぼんやりとした需要を狙うのではなく、ロングテールと言われるような、細かな需要に確実に対応する必要が出てきたからだ。
次に、顧客志向が改めて重要視されているため。どんなビジネスでも「顧客に向き合う」重要性は当たり前のようにわかるけど、ついつい忘れがちになる。
「企業の都合>顧客の声」に流されそうになったとき、すぐに顧客志向に戻してくれるのに、ペルソナ手法は有効だ。

ペルソナマーケティングは本当に使える?

使えます!
前述したように「顧客志向を徹底できる」のが大きい。
次に、「担当者全員が同じ顧客と向き合える」ことがあげられる。
つまり、「チーム内で共通の目的を持つ」ことで出来る。
「Soup Stock Tokyoの秋野つゆさん」をペルソナとするなら、担当者全員が秋野つゆさんと向き合うことになる。
これが「優良顧客」とか「30代の都内在住、女性ユーザー」みたいな曖昧さだと、それぞれバラバラの人物(先週の顧客、親戚の子、今の営業先etc…)を浮かべながら会話することになる。

ペルソナを満足させられたとして、本当にビジネス全体にプラスの効果があるのか心配になる。(成果は、微々たるものじゃないの?)

ペルソナは、代表的な顧客像だから、ビジネス全体にプラスの効果が見られないなら、それはペルソナ設定が誤っていたことになる。(禅問答的だけど)

ペルソナマーケティングってどのくらいのお金と手間がかかるの?

厳密にやると、すごい予算と時間がかかります。
なぜなら、ペルソナは空想の人物像ではなく、中規模以上のインタビューや過去の購買データ、その他様々なデータから抽出した人物像だからです。

そんな予算も時間も取れないならペルソナは出来ないの?

予算・時間が取れないなら「簡易ペルソナ」を使う方法もある。
実在の人物をペルソナに設定してしまうのだ。
優先順位をつけた3人くらいを設定したら、それなりにペルソナマーケティングを実践できる。
丹念に作られたペルソナよりは、抽象度や汎用性は減るけれど、脳内で中途半端に構築された理想の顧客像よりはずっと有益だ。
少なくても、顧客志向を目指せることは間違いない。
一番良くないのは、中途半端に少ないデータから都合の良いプロフィールだけ取り出して、さらに自己流のアレンジを加えて、創りだされたペルソナのようで、自分たちに都合が良い存在し得ない優良顧客像だ。

ペルソナ単体でも使えるけど、他のマーケティング手法と組み合わせると効果が何倍にもなる。

ペルソナが正しく設定できたら、もしくは簡易ペルソナを使えば、単体でも
・顧客志向を常に意識出来る
・共通の目的をチーム内で共有出来る
・課題に対して、より具体的な施策を思いつける。

などのメリットがある。
でも、ペルソナを設計したらもちろん終わりではない。
ペルソナが「知って、買って、使って、ファンになって」くれるように
自社製品、サービスを改善することに意味がある。

ペルソナができたら、他のマーケティング手法と組み合わせて使う。それが「カスタマージャーニー」

ペルソナが設定できたら、次はそのペルソナが自社製品やサービスを「知って、買って、使って、ファンになる」までの筋道を検討する。
その際に、ペルソナとは別のマーケティング手法を組み合わせて使うことになる。
例えば、「AIDMAの法則」やAISAS、佐藤義典さんの「マインドフロー」など。
ペルソナを、消費の流れを解析するマーケティング手法と組み合わせたものが「カスタマージャーニー」になる。
「カスタマージャーニー」をつくるには、ペルソナ手法と両輪になる、購買フローにまつわるマーケティング手法を学ぶ必要がある。
次回はそんな話。